高齢化が進む日本社会。元気なお年寄りも増えているが、お年寄りであるがゆえの厄介なことも多い。東京都の専業主婦Kさん(76才)は、最近感情の起伏が激しい夫に困っているという。
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これも年のせいなのかしら。夫(79才)は強気でゴリ押しするかと思えば、次の瞬間、急にイジケだすんです。
この間もそう。自分がしまい忘れた腕時計を、「お前がどこかに置いて忘れたんだ」と言い張ります。しつこいのなんの。「あんないい時計はそうないぞ」と、口を開けば時計のこと。こっちだって意地でも捜し出し、「パパ、これは何? パパの目は節穴?」と言い返したくもなりますって。
そうしたら、「ああ、どうせオレなんか、いなくなればいいんだろ。死ねばいいと思ってるんだろ」と半泣きするんですよ。面倒くさくなって、「そうね。死んだら?」と言ったら、飛びかかってきました。
70過ぎて殴り合いのけんかをしている夫婦って、いますかね。
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一方、山梨県で農業を営むTさん(80才)の夫は、妙なところで強情になっているというのだが…。Tさんが告白する。
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車の免許を交番で返納できるようになったでしょ? その話が出るたび、夫(81才)は「オレが運転しなかったらみんな困る」と譲らないの。
確かに数年前までは、未亡人ばかりの過疎の村で、夫の車は重宝されたのよ。でもトラックと接触事故を起こしてから慎重になって、車を動かすのは昼の数時間。
腹が立つのは、それなのにご近所のお気に入りのK子さん(74才)の頼みだと、無理をして車を出すの。この間は、鼻歌を歌っているからおかしいと思ったら、K子さんとドライブをしていたんだから。
問い詰めても、「なんの話だ?」と、おとぼけだか、本気のボケかわかんない。
※女性セブン2016年7月21日号