国内

18才選挙権に異論「ろくでもない男を追っかける時期なのに…」

広瀬すず効果か期日前投票は増加

 女性セブンのアラカン記者・オバ記者が、世の中の矛盾に牙をむくこのコラム。今回は選挙に対する怒りをぶちまけます。

 * * *
 まったく悪い冗談としか思えない。何がって、今回の参院選から18才と19才の有権者240万人が誕生したことだ。

 わが身を振り返れば、18才、19才といったら“若気のいたり”の大量生産中。ろくでもないオトコを追っかけるのに忙しくて、お国の代表者を選ぶなんてとてもとても。まあ、異性より選挙カーの後を追っかけまわすのが好きで、候補者の演説に「鳥肌たった」とか言うコがいたら、どっか変だけどね。

 選挙年齢が引き下げられた理由は…これから子供が減って高齢者が増え、人口減少は止まらない。だから世界の先進国並みに18才から選挙権を持ったら、若者に向けた政策が実現しやすくなるだろうということらしいけど、しかし、そううまくいくかなぁ。

 2年4か月前、東京都知事にふさわしい、と私を含めた211万2979人がマスゾエ氏を選んだのに、その結果は、衆目ほぼ一致で「せこい」。

「ちっ、マスゾエには騙されたよなぁ」と、その傷口がまだふさがってないんだからさ──若者よ。「で、どんな基準で誰を選んだらいいわけ?」なんて、頼むから聞かないでよ、と言うのが大人世代の正直なところじゃないか。

「この道を。力強く、前へ。」というスローガンを掲げる自民党は、「選挙はじめて物語」という漫画をネットにアップしている。ドジっ子の女子高校生がツンデレ男子の気を引くため、“候補者の理念や志”に目を向け、選挙に行くお話だ。

 若者の正しい姿に水を差す気はないけれど、理念や志って、たいがいの候補者は立派なのよ。で、Aさんの公約を読むと、「ほう、それはそれは」と感心し、Bさんの言い分を聞くと、「いいこと言うねぇ」と思う。なのに、その中身を誰も心底信じていないんだよね。思えば変な話だけど。

 というのも、私ら、「人前で政治と宗教の話はマナー違反」とは教わったけど、政治理念の読み解き方なんて聞いたことがない。ずっとあいまいなまま。それは平成生まれの若者だって同じはずなのに、いきなり選挙権を持たされるってどうよ。

「自分の考えで選べ」って言うけど、私らだってできてないことをよく言うよね。

 それともうひとつ、選挙権を持ったがために、大人のいや~なところを、若くして見るハメにならないか。

 たとえば、公約は言ったもん勝ち。果たせなくても罰則はないし、何回同じことを言ってもお咎めなしだし。

 これまで、選挙のたびに、縁もゆかりもない小・中学校で、確信のないまま、縁もゆかりもない人の名や政党名を書いてきた。そんな投票に割り切れない思いを抱いてきたけれど、この夏の2つの選挙は、今まで以上に気が重い。

「こんな思いをさせやがって、責任者、出てこい」と言いたいところだけど、「はい」と一歩、前に出る人は誰もいないしなぁ。

 これが私たちの美しい日本? やっぱり悪い冗談だよ。

※女性セブン2016年7月21日号

関連記事

トピックス

まさに土俵際(写真/JMPA)
「退職報道」の裏で元・白鵬を悩ませる資金繰り難 タニマチは離れ、日本橋の一等地150坪も塩漬け状態で「固定資産税と金利を払い続けることに」
週刊ポスト
精力的な音楽活動を続けているASKA(時事通信フォト)
ASKAが10年ぶりにNHK「世界的音楽番組」に出演決定 局内では“慎重論”も、制作は「紅白目玉」としてオファー
NEWSポストセブン
2022年、公安部時代の増田美希子氏。(共同)
「警察庁で目を惹く華やかな “えんじ色ワンピ”で執務」増田美希子警視長(47)の知人らが証言する“本当の評判”と“高校時代ハイスペの萌芽”《福井県警本部長に内定》
NEWSポストセブン
ショーンK氏
《信頼関係があったメディアにも全部手のひらを返されて》ショーンKとの一問一答「もっとメディアに出たいと思ったことは一度もない」「僕はサンドバック状態ですから」
NEWSポストセブン
悠仁さまが大学内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿されている事態に(撮影/JMPA)
筑波大学に進学された悠仁さま、構内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿「皇室制度の根幹を揺るがす事態に発展しかねない」の指摘も
女性セブン
奈良公園と観光客が戯れる様子を投稿したショート動画が物議に(TikTokより、現在は削除ずみ)
《シカに目がいかない》奈良公園で女性観光客がしゃがむ姿などをアップ…投稿内容に物議「露出系とは違う」「無断公開では」
NEWSポストセブン
ショーンK氏が千葉県君津市で講演会を開くという(かずさFM公式サイトより)
《ショーンKの現在を直撃》フード付きパーカー姿で向かった雑居ビルには「日焼けサロン」「占い」…本人は「私は愛する人間たちと幸せに生きているだけなんです」
NEWSポストセブン
気になる「継投策」(時事通信フォト)
阪神・藤川球児監督に浮上した“継投ベタ”問題 「守護神出身ゆえの焦り」「“炎の10連投”の成功体験」の弊害を指摘するOBも
週刊ポスト
長女が誕生した大谷と真美子さん(アフロ)
《大谷翔平に長女が誕生》真美子さん「出産目前」に1人で訪れた場所 「ゆったり服」で大谷の白ポルシェに乗って
NEWSポストセブン
『続・続・最後から二番目の恋』でW主演を務める中井貴一と小泉今日子
なぜ11年ぶり続編『続・続・最後から二番目の恋』は好発進できたのか 小泉今日子と中井貴一、月9ドラマ30年ぶりW主演の“因縁と信頼” 
NEWSポストセブン
第一子出産に向け準備を進める真美子さん
【ベビー誕生の大谷翔平・真美子さんに大きな試練】出産後のドジャースは遠征だらけ「真美子さんが孤独を感じ、すれ違いになる懸念」指摘する声
女性セブン
同僚に薬物を持ったとして元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告が逮捕された(時事通信フォト/HPより(現在は削除済み)
同僚アナに薬を盛った沖縄の大坪彩織元アナ(24)の“執念深い犯行” 地元メディア関係者が「“ちむひじるぅ(冷たい)”なん じゃないか」と呟いたワケ《傷害罪で起訴》
NEWSポストセブン