相方の春日俊彰(37)がフィン水泳、ボディビルなどお笑い以外の分野に進出する一方で、バラエティーで着実に評価を高めているのがオードリー・若林正恭(37)だ。MCからゲスト、ひな壇まで、あらゆる番組で見せる機転の利いた対応力には絶賛の声が上がっている。
若林の対応力の高さは、レギュラー出演している『しくじり先生 俺みたいになるな!!』(テレビ朝日系)やMCを務める『人生のパイセンTV』などでもしばしば見られる。バッシングを受けやすい有名人やクセのある一般人が何か発言をした時も、素通りしてしまうと一瞬変な空気になりかねないところを、若林が拾うことで笑いになることが少なくない。
若林といえば人見知りキャラとしても知られるが、この対応力の高さからはいったいどこから来るのか。お笑い評論家のラリー遠田さんはこう話す。
「若林さんは、場の空気を察知する能力に長けているので、いつでも全体がよく見えています。だからどんな状況にもうまく対応することができる。また、実力に加えて好感度が高いので、他の芸人がツッコみづらいところも、若林さんならツッコめるということがよくあります。それも若林さんの強みになっています」(ラリー遠田さん、以下同)
若林といえば、人見知りキャラだ。一見、面倒くさそうなタイプでもあるのに、好感度が高いのはなぜか。
「見た目がいいからだと思います。イケメンと言えるかどうか分かりませんが、親しみやすい顔をしている。繊細で気難しそうなイメージもありますが、ピュアで純粋なので嫌な感じがしません。
いい意味でテレビに不慣れなそぶりを残しているところも、好感度につながっていると思います。若林さんはもともと、テレビ番組をあまり見ていなかったそうですが、それが偏見なくゼロからテレビのことを学ぶ姿勢につながっています。
『しくじり先生』では、若林さんは担任の先生という設定ですが、実質的には生徒の一員として、視聴者の身に寄り添って番組の空気を作っています。たとえばオリエンタルラジオや藤崎マーケットが出演した時に、同じ芸人目線だけになってしまうと視聴者に伝わりにくくなるところも、視聴者にどう刺さるかをしっかり考えて翻訳する役割を果たしています」
それができれば、ほとんど一流のMCだ。若林はいつの間にか、そんな実力をも備えた芸人になったということなのか。
「若林さんのキャリアは、他の多くの芸人と同様、最初はひな壇芸人から始まりましたが、その後はMCをサポートするいわゆる『裏回し』、そして単独のMCへと順調にステップアップしています。これは実力が認められているからです。テレビのスタッフが新番組の会議をするとき、MC候補として真っ先に若林さんの名前も挙がるそうです。
若林さんにとって、テレビはお笑い活動の一環なのだと思います。あくまでお笑いが先にあって、テレビに出ること自体が本来の目的ではない。だからこそ、テレビに出たい一心で必要以上にまわりに媚びたりするようなことがありません。それがあの冷静な立ち振る舞いにつながっているのではないでしょうか」
もう「じゃない方芸人」とは呼ばせない?