婚約者の不祥事で騒がれながらも自民党の「目玉候補」として参院選を戦った今井絵理子氏(32)のメディア対応が物議を醸している。
選挙期間中に候補者アンケートを実施していた朝日新聞と毎日新聞の質問すべてに「無回答」と回答していたのだ。
アンケートでは、各候補者に、憲法改正や原発再稼働などについての質問を投げかけているが、朝日新聞の31問、毎日新聞の24問に対して今井氏はすべて「無回答」としている。
特に今井氏の地元・沖縄の普天間飛行場の移設問題をめぐる質問に対しても「無回答」のため、「無気力」と思われても仕方がない。
毎日新聞社社長室広報担当者によると、候補者389人中、すべての質問に「無回答」か、締め切りまでに回答が得られなかった候補者はわずか24人だった。今井氏の後援会事務所に「無回答」の理由を聞くと、驚きの回答が返ってきた。
「忙しかったのではなく、ご批判は覚悟の上での無回答です。答えられる項目もありますが、沖縄の基地問題や辺野古移設の問題、安全保障問題などは、まだ政治家を目指して間もない人間が答えられるはずがないんです。これから勉強していきます。お手柔らかに、長い目で見ていただければ」
政治評論家の有馬晴海氏はこう指摘する。
「バカ正直に答えて県民や党から大目玉を食らうことがないように、曖昧な回答で選挙を乗り切るというのは経験の浅い候補者が使う手段です。イエスかノーか、はっきり言わない方が賛成派と反対派の両方から票を取れるわけですから」
有権者としては、しっかり勉強したうえで出馬していただきたいのだが……。
※週刊ポスト2016年7月22・29日号