小学生の頃から学んできた日本史。だが、教科書に載っている歴史上の偉人の顔は思い浮かんでも、その身長や体重までを想像したことは、ほとんどないだろう。あの偉人はいったいどんな体型だったのか。
これまで7種類の紙幣の肖像となった聖徳太子。だが、笏(しゃく)を捧げ持った細面は思い浮かんでも、その体型となるとよく分からない。そんな歴史上の疑問を解き明かしているのが『日本史有名人の身体測定』(KADOKAWA)の著者・篠田達明氏だ。彼は歴史小説家でありながら、現役の整形外科医でもある。篠田氏がこう語る。
「聖徳太子の身長は180cm、78kgと推定しています。平均身長が160cmの飛鳥時代では大柄。根拠となったのは法隆寺の夢殿に保存されていた救世観音です」(以下、「」は篠田氏)
この観音像は聖徳太子の等身大であると伝えられてきたが、1000年以上、秘仏として布に巻かれたままだった。
「開封すると呪われるという言い伝えがあったため」
だが、明治時代に米国人の東洋美術史家・フェノロサが永い眠りを解き、聖徳太子の身長が判明した。
※週刊ポスト2016年7月22・29日号