結婚に何を求めるか? 自分の気持ちはわかっても、意外と気づかない相手の本音。そのズレが結婚生活を暗転させていく。それは熟年結婚でも同じだ。タレントでリポーターの菊田あや子さん(59才)の「反省の弁」は、痛いほど胸に突き刺さる。
昨秋に会ったときの彼女とは、見た目も雰囲気も随分変わっていた。そして名字も元に…。
菊田さんが、10才以上年上の男性との結婚を発表したのは昨年9月。当時は箸が転んだだけでも笑顔がこぼれるというような幸せオーラをまとっていたが、それからわずか半年後の3月には離婚していた。
ちょうど1年前の昨年6月末に知人の紹介で初めて会い、4回目のデートでプロポーズされ、8月に婚約。9月中旬に入籍を済ませ、10月あたまに彼のマンションに引っ越して新婚生活がスタートした。
「本当に幸せで、友人たちもお祝いしてくれて、今までの“おめでとう”の中でもいちばん嬉しくって。相手の包容力、人柄もいいし、こんな幸せなことはないと思えるほどだったんです。“あなたは今すぐ仕事を辞めても何の問題もありません。結婚してくれますか?”とプロポーズされて、私も“わ!”って喜んでしまったんですが、振り返ってみると“幸せにするね”とか“幸せになろう”とは一度も言われたことなかったですね(苦笑)。
私は一緒に美術館に行ったり、旅行したり、夫婦として思い出をひとつずつ作っていきたかったんですが、彼はもうそういうことはしたくなかったみたいなんです」(以下「」内、菊田さん)
価値観の違いを感じるようになったのは、実は入籍して間もなくのことだった。
「本当に仕事熱心なかたで、家のことに煩わされることなく勉強したいとおっしゃって。実際、休日もほとんど外出することなく一日中勉強されていました。たまに彼が欲しいものがあるといって一緒に銀座に買い物に行ったときも、そのお店に行って帰ってくるだけ。ちょっとぶらぶらとかお茶するとかもなし。帰ってきたらまた勉強する。私は彼の勉強の邪魔にならないように音を立てないよう、ひっそり過ごすんです」
新婚当初の気持ちを思い出してか、心許ない寂しげな笑顔を見せて、続けた。
「結婚の際に“わが援軍得たり”と言われたときは“え?”っと思いましたが、完璧主義の彼のために食事など家のことはもちろん、ゆくゆくは下の世話まで…と、覚悟を持っていたんですけどねぇ」
朝6時半に起きて朝ご飯の用意とお弁当を作り、掃除や洗濯をして夕飯の下ごしらえをしてから買い物へ。自分の用事を済ませ、夕方の5時には帰って、彼が帰宅する8時過ぎまでに食卓を整えて待つ。洗濯物をたたんだりアイロンがけをすればあっという間だ。潔癖性ともいえるきれい好きな夫のために、家じゅうをピカピカに磨き上げ、においにも敏感になった。