うさぎカフェの老舗として有名な『おひさま』で、お客さまを出迎えてくれるのは、バスケットからちょこんと顔を出す、小さなうさぎ。
「いらっしゃいませ! 内藤くんです。“くん”までが名前なので、よろしくです」
この店には20匹ほどのうさぎたちが勤務。他のコたちは『うさぎルーム』にいるのに、なぜか内藤くんだけはカフェスペースで接客をしている。
「お恥ずかしい話なんですけど、ボクはうさぎが大の苦手なんですよね…」
内藤くんは『おひさま』がオープンした5年前からいる初代メンバー。うさぎ年齢で8歳はすでにおじいちゃんだが、人間大好きという接客業の才能に恵まれ、内藤くんに会いたくて来店するお客さんも多い。
「こんなボクですが、ちゃんとうさぎの嫁がいて、最近は孫も生まれたんですよ。できれば夫婦なかよくしたいとは思うんですが、気の強い嫁で…」
恐妻家である内藤くんの奥様は、その名も“みつこ・デラックス”。若干ふくよかな体形から名づけられたそうだが、夫が『うさぎルーム』にやって来ると「何しに来たのよ!?」とばかりにジロリ。
「やっぱりボクは受付で人間のお客さまと触れ合っているのが性に合ってますね(苦笑)」
うさぎの世界も、なかなか大変なのである。
【プロフィール】
名前:内藤くん ♂
年齢:8歳
種類:うさぎ(ネザーランドドワーフ)
勤務先:うさぎcafe おひさま
職種:接客業
主な仕事内容:お客さまのお出迎えや、スキンシップ。
お給料:基本給はうさぎ用フード。ボーナスは大好きなバジルの葉っぱ。
好きなこと:人間に抱っこしてもらうこと。
嫌いなこと:うさぎと一緒にいること。実はボク、あんまりうさぎが好きじゃなくて…。
現在の悩み:自分もうさぎなのに、うさぎといるとストレスがたまって具合が悪くなっちゃうのはどうしてだろう?
将来の夢:できればうさぎとあまりかかわらずに過ごせたらいいな。
撮影■山口規子
※女性セブン2016年7月21日号