『あまちゃん』(2013年)以来の朝ドラ凱旋となったのは、女優・有村架純(23)だ。来春のNHK朝ドラ『ひよっこ』のヒロインに抜擢された。今回の有村主演には、局側からの熱烈なオファーがあったという。
「朝ドラはオーディションでヒロインを選ぶことが多いのですが、今回はNHK側から有村を指名した」(テレビ誌記者)
有村自身も発表会見で「『NHKの顔になっていただきます』と言っていただいて、あの時(『あまちゃん』)とははるかに違うところにいるんだなと」と指名の舞台裏を明かした。
この有村の“一本釣り”には複雑な局内事情があるというのはNHK関係者だ。
「近年、朝ドラは東京と大阪が交互に制作しています。東京側は『あまちゃん』で、現在の空前の朝ドラブームを作り上げたという自負がある。その後に続いた大阪制作の『ごちそうさん』、『マッサン』のヒットは『あまちゃん』の勢いに乗っただけだと、高をくくっていた。だが、昨年、東京制作の『まれ』が惨敗し、直後の大阪制作『あさが来た』は今世紀最高の視聴率を叩き出した。これにすっかり東京側は青くなった」
そんな中、東京側に「大阪が有村をヒロインとして狙っている」という情報が舞い込んだという。
「東京は『あまちゃん』出身の有村は、自分たちが育てた子供みたいなものと思っている。そんな彼女を横取りされてはたまらないと大騒ぎになった」(同前)
そこで有村を高く評価する脚本家・岡田惠和氏に、有村ありきのオリジナル作品をオファー。こうして決まったのが『ひよっこ』主演だった。
「有村争奪戦」では東に軍配が上がったが、肝心の視聴率はどっち!?
※週刊ポスト2016年7月22・29日号