胡錦濤・前中国国家主席の元側近、令計画・元中国全国政治協商会議副主席が7月4日、裁判で、収賄や職権乱用、国家機密の不正取得などの罪で無期懲役の判決を受けた。不正に取得した国家機密の内容について、米国を拠点にする中国問題専門の華字ニュースサイト「博聞新聞網」は、中国共産党直営のホテルで撮影された党・政府高官のセックスビデオが含まれていると報じた。「流出すれば、重大な政治爆弾となる」としている。
令氏の裁判は6月7日から天津市第一級人民法院(地裁)で始まっていたが、国営新華社通信は犯罪内容や関係する国家機密に鑑みて非公開にしたと説明。このため、国家機密の内容に関心が集まっていた。
同サイトによると、令氏は胡錦濤指導部の10年間のほとんどの期間、日本の官房長官に当たる党中央弁公庁主任を務めており、国家機密をすべて知る立場にあった。
報道では国家機密は文書だけでも2700件にも達し、その内容は政治、軍事、経済、文化など多岐に及んでいる。
その一部を令氏の弟の令完成氏が米国に逃亡する際、持ち逃げしており、米政府が完成氏の身柄を確保、保護しており、国家機密の内容も把握しているとも伝えられる。また、中国側も米政府に対して、完成氏の身柄の引き渡しを求めおり、その機密のなかに、党・政府高官のセックスビデオが含まれているというのだ。
同サイトはその傍証として、党中央委員会総会など党の重要会議が行われ、党政府高官がよく宿泊する党直営のホテルである京西賓館の総支配人、劉存水氏が2015年1月に逮捕されていることを挙げている。劉氏は令計画氏と親しく、隠し撮りしたセックスビデオを令計画氏に渡していたという。
また、令計画氏や劉氏とも親密な関係にあった馬建・元国家安全部副部長も同時期に中国当局によって身柄を拘束されて、現在取り調べ中であることが分かっており、令完成氏が持ち逃げした国家機密の内容について、尋問を受けている、と同サイトは報じている。
かりに、これらのセックスビデオが公になれば、党最高指導部を巻き込んだ大スキャンダルとなることは必至だけに、習近平指導部は米政府当局者との水面下で交渉を模索しているという。