芸能

故・永六輔さん 60年来の仕事仲間と泣き合った最期の日々

最後のテレビ出演は大橋巨泉とともに訪れた『徹子の部屋』

 病床で横になったまま、アイスキャンディーをなめて、あたりめをしゃぶって、家族で大笑いしていた。翌日も暑い日だった。東京は酷暑の37℃。その日、「お先に失礼!」というように、永六輔さんが息を引き取った。享年83。七夕の日だった。

 優しく巧みに言葉を操る才能。昭和芸能界の生き字引ともいわれる幅広い人脈。永さんは今日の娯楽メディアの基礎を作りあげた人物だった。

 1933年に東京・浅草に生まれた永さんは、中学校時代からラジオへの投稿を始め、早稲田大学在学中の19才のときにラジオの放送作家としての活動をスタートさせた。

「1953年にテレビ放送が始まってからはバラエティー番組の台本を多く担当しました。現在のテレビバラエティーの原型は、永さんが生み出したんです。その一方で、おもしろいと思った人は積極的に起用して、スターも数多く見出しました。タモリさん(70才)やデビュー前の近藤真彦さん(51才)は、永さん自身も出演した『ばらえてい テレビファソラシド』(NHK)に呼ばれ人気に火がつきました」(ベテラン放送作家)

 作詞家としても活躍し、『黒い花びら』で1959年の第1回日本レコード大賞を受賞。その後も『上を向いて歩こう』や『帰ろかな』、『こんにちは赤ちゃん』など、ヒット曲を次々世に送り出した。

 人柄に惹かれ、永さんの周りには多くのラジオ人、テレビ人、文化人が集まってきた。『週刊ポスト』(2013年10月25日号)のインタビューにこう語っている。

「番組中に喧嘩してやめるでしょ? そうすると、すぐ別の仕事を回してくれる連中がいるんですよ。小沢昭一、野坂昭如、五木寛之とか、中村八大、大橋巨泉、寺山修司にしても、早稲田時代から付き合いのある仲間がね」

 60年来の友人で、テレビ草創期から永さんとともに第一線で活躍してきた黒柳徹子(82才)は、永さんの訃報にこうコメントを寄せた。

《奥さんの昌子さんが亡くなって14年半、よく一人で頑張りました(中略)私と結婚の話も出ましたが、主に、永さんからですが、お互い昌子さんのようにはいかないと、分かっていました》

関連記事

トピックス

九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
“鉄ヲタ”で知られる藤井
《関西将棋会館が高槻市に移転》藤井聡太七冠、JR高槻駅“きた西口”の新愛称お披露目式典に登場 駅長帽姿でにっこり、にじみ出る“鉄道愛”
女性セブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン