冷蔵庫555円、炊飯器1280円、2人掛けソファ999円──これらは全部、フリマアプリ『メルカリ』に最近出品された商品だ。実際の相場よりグンと安く売られているものがある一方、コンビニの割り箸50本で300円、ペットボトルキャップ50個400円、使いかけのファンデーションが1100円と、「これも売り物になるの!?」と思うようなものが次々と売れていく。つまり、フリマアプリを使えばいいものを安く買えて、いらないもの、捨てようと思っていたものをお金に換えることができるのだ。
そもそも、フリマアプリとは何なのか。ネットオークション歴12年、ヤフオクやメルカリを利用して月5万円稼ぐカリスマ主婦で、『オールアバウト』ネットオークションガイドの川崎さちえさんは次のように説明する。
「自分がいらないものを売ったり、欲しいものを安く買ったりできる、いわゆるフリーマーケットをスマートフォンのアプリを使ってインターネット上でできるサービスです。メジャーなのは、総合フリマアプリ『メルカリ』ですが、他にも、女性限定のフリマアプリ『フリル』や、ゴルフ用品専用の『ゴルフポット』、同人誌やフィギュア専用の『オタマート』などいろいろあります」
実は今、このフリマアプリ市場が急速に拡大している。メルカリ広報の中澤理香さんはこう話す。
「下は10代から上は60代までと幅広い世代の人に利用していただいています。2013年から始めて3年がたちますが国内で3000万ダウンロードされています。1日に出品される商品の数は50万品以上にものぼります」
複数の購入希望者がいれば、価格が上がっていくネットオークションに対し、フリマアプリはメッセージをやりとりし、値段交渉することが可能。売り手も買い手もお互い納得できるまで何度もやりとりできるのも特長だ。
とはいえ、なんとも面倒くさそうと思う人もいるだろう。しかし、そうではないらしい。前出の川崎さんはこう力説する。
「これまでとは違い、スマホを使って誰でもできる、簡単な操作で売ったり買ったりできる手軽さがウケています。しかも洋服からDVD、家電まで何でも取り扱う幅の広さ。面倒くさがっていてはもったいないですよ」
出品までの手順は簡単だ。例えば、『メルカリ』ならアプリを立ち上げて出品ボタンを押すと、カメラが起動するので出品する品物の写真を撮影。その次は説明文と値段などを入力したら、「出品する」ボタンを押すだけ。3分もあればできてしまう。商品についての質問や、値下げ交渉は売り手と買い手が直接行うが、お金のやり取りは、メルカリを通じて行われるので安心。また匿名での取り引きも可能だ。