国内

池上彰氏「投票前に選挙特番放送して」の意見に反論

「投票前に選挙特番放送して」の声に意見を述べる池上彰氏

 与党の圧勝で終わった今回の参院選。各局は選挙特番を放送したが、なかでも話題となったのがジャーナリスト・池上彰氏が司会を務めた『TXN選挙SP 池上彰の参院選ライブ』(テレビ東京系)だ。政治家たちに鋭い質問を浴びせる様子は「池上無双」と呼ばれていたが、その矛先は与党はもちろん野党にも向かった。池上氏が、民進党・岡田代表とのやりとりを振り返る。

 * * *
 野党は1人区では統一候補を立てましたが、その野党第1党・民進党の岡田克也代表の戦い方には疑問を持ちました。岡田さんは選挙活動中、地元・三重で擁立した候補が落選した場合、次の代表選挙には出ないと言っていました。一選挙区の候補の当落に自分の進退をかけるというのは、野党第1党の党首としての自覚があまりにもないのではないかと思ったんです。

 その問いに対する岡田代表の答えは「全体の判断とは切り離して、考えているわけです」。意味をつかみ損ねたので、三重でさえ勝てば他の選挙区では負けても代表を続けるのかと重ねて聞いたところ「そんなくだらないこと、私、言った覚えはありませんから」と、半ばキレられてしまいました。よほど突っ込まれたくなかったに違いありません。

 今回の参院選の番組に対しては「投票前に放送してほしかった」という声もいただきました。しかし、選挙の公示後に、特定の政党を大きく取り上げたり、個別の候補者に注目したりする番組を作ることは、放送法で禁じられています。全政党を平等に取り上げて議論が盛り上がるわけがない。現行ルールでは難しいといわざるを得ないですね。

 参院選は終わりましたが、私たちは憲法をどうするか、大きな議論になるのはこれからです。どうか、一人ひとりが、選挙の直前以外の期間も政治にもっと関心を持ってほしいと思います。

※女性セブン2016年7月28日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
《中山美穂さん死後4カ月》辻仁成が元妻の誕生日に投稿していた「38文字」の想い…最後の“ワイルド恋人”が今も背負う「彼女の名前」
NEWSポストセブン
工藤遥加(左)の初優勝を支えた父・公康氏(時事通信フォト)
女子ゴルフ・工藤遥加、15年目の初優勝を支えた父子鷹 「勝ち方を教えてほしい」と父・工藤公康に頭を下げて、指導を受けたことも
週刊ポスト
山口組分裂抗争が終結に向けて大きく動いた。写真は「山口組新報」最新号に掲載された司忍組長
「うっすら笑みを浮かべる司忍組長」山口組分裂抗争“終結宣言”の前に…六代目山口組が機関紙「創立110周年」をお祝いで大幅リニューアル「歴代組長をカラー写真に」「金ピカ装丁」の“狙い”
NEWSポストセブン
「衆参W(ダブル)選挙」後の政局を予測(石破茂・首相/時事通信フォト)
【政界再編シミュレーション】今夏衆参ダブル選挙なら「自公参院過半数割れ、衆院は190~200議席」 石破首相は退陣で、自民は「連立相手を選ぶための総裁選」へ
週刊ポスト
中居正広氏と報告書に記載のあったホテルの「間取り」
中居正広氏と「タレントU」が女性アナらと4人で過ごした“38万円スイートルーム”は「男女2人きりになりやすいチョイス」
NEWSポストセブン
Tarou「中学校行かない宣言」に関する親の思いとは(本人Xより)
《小学生ゲーム実況YouTuberの「中学校通わない宣言」》両親が明かす“子育ての方針”「配信やゲームで得られる失敗経験が重要」稼いだお金は「個人会社で運営」
NEWSポストセブン
『月曜から夜ふかし』不適切編集の余波も(マツコ・デラックス/時事通信フォト)
『月曜から夜ふかし』不適切編集の余波、バカリズム脚本ドラマ『ホットスポット』配信&DVDへの影響はあるのか 日本テレビは「様々なご意見を頂戴しています」と回答
週刊ポスト
大谷翔平が新型バットを握る日はあるのか(Getty Images)
「MLBを破壊する」新型“魚雷バット”で最も恩恵を受けるのは中距離バッター 大谷翔平は“超長尺バット”で独自路線を貫くかどうかの分かれ道
週刊ポスト
約6年ぶりに開催された宮中晩餐会に参加された愛子さま(時事通信)
《ティアラ着用せず》愛子さま、初めての宮中晩餐会を海外一部メディアが「物足りない初舞台」と指摘した理由
NEWSポストセブン
「フォートナイト」世界大会出場を目指すYouTuber・Tarou(本人Xより)
小学生ゲーム実況YouTuberの「中学校通わない宣言」に批判の声も…筑駒→東大出身の父親が考える「息子の将来設計」
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《妊娠中の真美子さんがスイートルーム室内で観戦》大谷翔平、特別な日に「奇跡のサヨナラHR」で感情爆発 妻のために用意していた「特別契約」の内容
NEWSポストセブン
沖縄・旭琉會の挨拶を受けた司忍組長
《雨に濡れた司忍組長》極秘外交に臨む六代目山口組 沖縄・旭琉會との会談で見せていた笑顔 分裂抗争は“風雲急を告げる”事態に
NEWSポストセブン