女性セブンの名物記者“オバ記者”こと野原広子(59)が、世の中の腹立つ出来事に物申す! 今回は、覚せい剤で逮捕された高知東生に対する怒りをぶちまけます。
* * *
高知東生に怒っている。よくも女の夢をつぶしてくれたねと。そもそも彼の真価は、“チンピラ力の高さ”にある、と私は思っている。チンピラ力とは、現実からの“跳躍力”だ。
出会って30分もたたないうちに、「初めて会った気がしない」と女の目を見つめるとか、「運命の人、みっけ! 好きになってもいいかな?」とか。
それでもなびかなければ、壁ドンやあごクイなどの技も繰り出す。こんな芸当、地に足がついている健全な男には、3回生まれ変わってもできやしませんて。
高知がそうかどうかは問題ではない。それをしてサマになるかどうかだ。これは天賦の才能としか言いようがなく、NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』の鉄郎役・向井理が手を伸ばしても届かない領域、といったらわかってもらえるかしら。
目の前の人の顔色を見て、欲している言葉を察する“勘のよさ”も大事よ。効率よく、いいとこ取りをするための絶対条件だもの。こんな男、平時ならかかわりません。
高知は昨秋、義父の介護を口にして芸能界を引退した。17年前、高島礼子との婚約時、ワイドショーに出演して大反対した“義父”の介護を錦の御旗のごとくかざして。
それだって引退にあたって、彼の反射神経が言わせただけなのは、今となれば明らかだ。病身の妻の父親をこんな使い方をするなんて、人としてどうかと思う。だけど女は年齢に関係なく、こういう男が必要なときがあるのよね。正義感の強い優等生女との相性もすごくいい。
高知のすごいところは、チンピラ上級者必須の“意外といい奴”という顔を、地味なスーツに前髪をたらして自在に演出できることだ。しかも顔はあの通りで、身長182㎝。そんじょそこらに転がっている男じゃありませんよ。
マジメだけが取り柄の夫と明け暮れている多くの中高年女にとって、高知のような男は存在するだけで意味がある。見つめられたらついて行っちゃうかも~、と思わせてくれたらちょっと幸せ。
だけどチンピラの行き着く先が、クスリで逮捕って何よ。カッコ悪いにもほどがないか。しかも50才以上の覚せい剤の検挙者の再犯率は、80%を超えるという。
そういえばチンピラ男は、家庭でも物でも、創作・維持は苦手だ。ひたすら破壊に向かってひた走る。結婚生活が続いているのは、何かの加減で取り繕いがうまくいっているときだけだ。
で、なんで私がチンピラ男に詳しいかって? 腹立たしすぎて、言えませんっ!
※女性セブン2016年7月28日号