すっかり投開票日の定番番組となった、池上彰さん(65才)が司会を務める『TXN選挙SP 池上彰の参院選ライブ』(テレビ東京系)。今回の選挙でも大きな注目を集めた。その中で、話題となった一コマを紹介しよう。
選挙遊説で全国津々浦々を巡る自民党・小泉進次郎議員。「将来の首相候補」として注目を集める進次郎議員に池上さんが密着、その言動を分析するVTRは選挙番組の名物となっている。
2013年の参院選の時は、進次郎議員に「男の嫉妬はすごいでしょう?」と正面から切り込み「鍛えられ、耐えながらやっています」と、暗にイエスの回答を引き出した。池上さんは今回、彼に何を見たのか。
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今回の密着ではある変化を感じました。前回の取材時、進次郎さんは街頭演説で堂々と自民党批判をしていました。それでも最後は“自民党に任せてください”という言い方をしてはいましたが、かなりフリーな立場ですよね。ところが今回は“選択肢は自民党しかない”という態度を取っていたのです。
農林部会長というポストに就いていることもあり、自民党の立場で発言するようになったのだと思います。
いずれは大臣になるでしょうし、安倍首相の次の次の首相の最有力候補だと私は見ています。ただし、動き出すのは2020年の東京五輪が終わってから。彼はそれでも40才です。それまでは嫉妬の多い世界、一所懸命に雑巾がけをして少しずつ存在感を示していくことに専念していくと思いますよ。
では、安倍首相の次は誰なのか。番組では政治記者へのアンケート結果を紹介しました。1位になったのは岸田文雄外務大臣。その結果を本人にぶつけてみたところ、「それは私がびっくりしました」と、満面の笑みでした。ここから、まったく首相になる準備をしていないことがわかります。
4位の稲田朋美自民党政調会長も「驚きました」とこちらもにっこりしていましたから、まだまだなんだなと。ただし安倍首相の狙いは2020年まで首相を続けて、その後は稲田さんを後継指名。稲田さんはそれぐらい安倍首相の寵愛を受けています。
一方、3位の石破茂地方創生担当大臣は「総理大臣というのは、なることが目的ではないんです。なって何をやるかということなんです」と無表情のまま満点の回答をしていました。
虎視眈々と首相を狙っていることをもはや隠しません。その一方でやはり、首相になるには実力だけでなく、運も必要なことをよくご存じなのでしょう(ちなみに2位は谷垣禎一自民党幹事長)。
※女性セブン2016年7月28日号