小学校の頃に学んだ歴史の教科書により、我々は偉人の顔を想像することはできるが、身長や体重についてはまったく未知だ。しかし、『日本史有名人の身体測定』(KADOKAWA)の著者で、歴史小説家でありながら現役の整形外科医でもある篠田達明氏は、肖像画や衣服、甲冑、書物などから偉人の体型を推定している。歴史上の偉人たちは、どんな体型だったのか。
“牛若丸”と呼ばれた源義経は小柄で飛ぶように戦うイメージが強い。
「古文書の記述で『義経はチビだ』という悪口が残っているのと、一ノ谷の戦いで馬に乗ったまま断崖絶壁を駆け下りて平家を奇襲した際、俊敏に身をこなしていることからも、やはり小柄だった。また愛媛県の大三島には義経が着用した鎧も現存。そこから147cm、47.5kgと推測した」(篠田氏)
一方、鎌倉幕府を開いた兄の源頼朝は偉丈夫なイメージが思い浮かぶ。
「教科書などに掲載されている肖像は別人で、甲斐善光寺が所蔵する木像が本人であるという説が有力。その木像の体型はずんぐりむっくり。そこで、源兄弟はともに小柄だと判断し、頼朝は155cm、60kgと結論づけました」(同上)
京の五条大橋で義経に敗れて以来、義経の忠実な家来として仕えた武蔵坊弁慶は力自慢の大柄なイメージ。
「伝承では母親の胎内に18か月もおり、誕生時には黒髪が肩まで垂れ下がり、歯も揃っていたと言われている。伝承通りだとすると、208cm、100kgと仁王のような巨体だったようです」(同上)
※週刊ポスト2016年7月22・29日号