「先生、私、これ以上、この薬をのみたくないんですけれど…」。そんな不安を医師に訴える人が増えている。その発端となったのは『週刊現代』の一連の記事だ。6月11日号で「医者に出されても飲み続けてはいけない薬」というタイトルで記事を掲載後、「有名な薬でも医者の言いなりに飲み続けるのはこんなに危険です!」(6月18日号)、「生活習慣病 その薬、一度飲んだら最後、やめられません」(6月25日号)など、私たちが普段からのんでいるような一般的な薬を俎上にあげて真っ向から否定しているのだ。
中には、副作用によってがんを引き起こしたり、認知症の症状を悪化させたりするリスクもあると指摘していて、それらの記事に自分がのんでいる薬の名前を見つけた人は、かなり驚いたに違いない。
しかし、誌面で名指しされ“糾弾”された薬は、本当に危険なのだろうか。本誌は改めて、医師や薬剤師にその副作用と危険性について聞いてみた。するとみな異口同音に「副作用のない薬はない」と言う──。
そもそも「副作用」とは、薬が目的とする主作用とは別に、副次的に作用するもののこと。大半の風邪薬や花粉症の薬をのんで眠くなるのも副作用だ。秋津医院の院長・秋津壽男さんは「薬は、のむことで何らかの変化を体に起こします。効く薬ほど、副作用もあるのです」と指摘する。ただし、副作用がある薬が効くかといえば、そうとは限らない。
「あまり効かない薬にも、漢方薬にもサプリメントにも、副作用はあるのです。医師は患者に対してそれを説明する責任を負っていますが、かといって出されるがままに薬をのんでいるのも無責任でしょう。のむ側も『薬には必ず副作用がある』ということは知っておくべきです」
こうした前提は頭に入れたうえで、薬と賢く付き合っていきたいものだ。
※女性セブン2016年8月4日号