ひとつ屋根の下に暮らしていても、夫婦の間で金銭感覚が驚くほどずれているということは珍しくないという。ファイナンシャルプランナーの横山光昭さんはこう話す。
「夫婦参加型のセミナーを実施した時のこと。夫と妻それぞれに家計表を書いてもらったら、ほとんどの夫が生活費を実際より低く認識していました。男性のほとんどは、ティッシュがいくらか、鶏肉がいくらか知りませんから」(横山さん、「」内、以下同)
20万円もあれば暮らせるだろうと思っていたのに、実際は30万円以上かかると知って驚く夫が続出したという。
「妻が家計を握りっぱなしだと、夫は家計への関心が薄れ、小遣いの値上げにしか興味がなくなってしまうんです」
夫婦というものは、お金の話をするとギスギスしがちだが、夫と家計を共有するために、妻にはこんなテクニックが有効だ。
【細かいことは言わない】
1円単位の食費の話や、小遣いの使い道を根掘り葉掘り聞きだすのは逆効果。「ちまちました話をすると、小遣いが減らされると警戒されるだけでなく、稼ぎがないと責められているような気持ちになり、聞く耳を持てなくなります」。
【特別出費は前もって言う】
入学金や車検代など、まとまった金額を急にねだられても夫は困るだけ。「時間がないと打つ手もなく、じゃあ借りるか、という話にしかならない。夫のプライドを傷つけるだけでなく、借金を作るきっかけに。大きな支出予定は早めに報告を」。
【毎月のコストは共有する】
少なくとも、1か月の生活費だけは伝えておこう。「“生活サイズ“を共有すると、互いに無茶な支出をしなくなります。年金生活など、将来お財布が小さくなっても、同じ金銭感覚で支出の優先順位を話し合えれば、納得のいく生活設計に」。
また、子供を交えてお金の使い方を話し合うのもおすすめだ。
「わが家では毎月、マネー会議を家族全員で開き、お金の使い道を話し合います。みんなが必要と認めれば予算をとれるので、子供も必死にプレゼンします。幼いうちから金銭感覚が身につきますよ」
※女性セブン2016年8月4日号