「崖から飛び降りる覚悟」と東京都知事選挙へ出馬表明し、自民党の支援がない孤立無援の不利な戦いとみられていた小池百合子氏が、新聞・テレビの序盤調査でややリードと報じられて自民党を大いに慌てさせている。
告示後最初の土曜日(16日)、小池氏はスカイツリーを皮切りに有楽町、銀座、上野、そして地元・池袋の5か所を回ったが、銀座に到着すると、演説予定場所には都知事選で3度の落選経験を持つ“常連出馬組”のスマイル党総裁・マック赤坂氏が陣取って「オレはどかねぇよ」と譲らない。
仕方なく小池氏は歩行者天国の中央通りをゆっくり歩きながら、買い物に来ていたファミリーや母娘連れなど通行者の一人ひとりに声をかけた。最初は反応が鈍かったが、次第に握手や写真撮影を求める人が集まって人の輪ができ、すぐに300人ほどの練り歩きになった。
それを見ていたマック氏が態度を一転、「小池君、あなたは自民党から見離されてよかった。メンタルの強さが3倍になった」とトレードマークの“スマイル”を浮かべて場所を譲ったのである。小池氏が演説を始めると聴衆は1000人を超えていた。
「組織票はありません。たった一人で戦っております」
「私は崖から飛び降りるのが目的ではない。みなさんと一緒に風を作りたいのです」
有楽町でも、上野でも、組織的動員には見えない聴衆が集まり、中にはライバル候補を推薦している公明党の支持者もいた。
「私は創価学会婦人部だけど、応援しています」
そんな声もかかった。