昨年9月に北京で行われた中国の対日戦争勝利70周年記念式典や軍事パレードに西側から唯一、最高首脳として朴槿恵・韓国大統領が参加し、蜜月ぶりを見せつけていた中韓両国。だが、ここにきて急転直下、関係最悪の状態に陥っている。朴氏が米国政府の意向を全面的に受け入れて、中国が強く反対する高高度ミサイル防衛(THAAD)システムを年内にも韓国内に配備すると発表したからだ。
怒り心頭に発した中国は7月中旬、モンゴルのウランバートルで行われたアジア欧州会議(ASEM)首脳会談に出席した李克強・中国首相が、韓国側が要請した朴氏との中韓首脳会談を拒否。このように、両国関係は急速に冷え切っており、「昨年の蜜月ぶりは何だったのか」といぶかる疑問の声が韓国メディアから出ている。
今回のASEM首脳会談では沖縄県尖閣諸島の問題や南シナ海をめぐる問題をめぐって対立関係にあるにもかかわらず、李克強首相と日本の安倍晋三首相が会談した。会談時間はわずか30分間だったが、日中首脳会談は昨年11月以来、8か月ぶりと年に2回のペース。しかも、前回は、韓国・ソウルで日中韓の3か国の首脳会議に合わせて行われ、韓国が仲介の労を取ったように解釈できるにもかかわらず、今回中韓首脳会談は開催されなかった。
韓国メディアによると、韓国政府は中国側に朴氏と李氏の中韓首脳会談を打診したが、中国側から「李首相の予定が詰まっており、時間がない」とけんもほろろに断られたという。