親友の定義は決まっていない。人によってさまざまだ。ある人にとっては親友かもしれないが、別の人にとってはそうではない──。そこで友人が多いことでも知られる6人組ヤンキーロックバンド・氣志團の團長を務める綾小路翔に「親友」について話を聞いた。
「親友…今頭に思い浮かんだのは、ぼく以外の氣志團メンバーとバックダンサーの微熱DANJI、歌手の森山直太朗(40才)、GLAYのTAKUROさん(45才)、そして4才年上の一般男性…すでに多いですね(笑い)。
親友にもいろいろなタイプがあると思うんです。メンバーは中学からのつきあいだし、家族みたいなところがあります。悪いたとえだけど、仮にあいつらが、世間的に取り返しのつかない事件を犯したとしても、ぼくだけは受け止めると思います。
直太朗は、自分にポカッと心の穴があいた時に、なぜかわからないけど隣にいる。ぼくがそのとき求めているような答えも返さない。ケラケラ笑っているような人ですね。でも帰り際には、心がスッとしている。
逆にTAKUROさんはどんなシリアスな悩みにも、極上のユーモアを交えて前向きな答えに導いてくれるすごい人。最後の1人は、世界一ぼくにお節介を焼いてくれる人(笑い)」
そして、綾小路は「親友」をこう定義する。
「親友とはぼくを凹ませられる人だと思います。例えば、ぼくは、世間の人からいくら誹謗中傷されても、知人に悪口を言われても『まあ、彼らは、おれのことを知らないしな』と思えるんですよね。正直まったく気にならない。でも、親友に誤解されたり、心ないことをされたりしたら、死ぬほど傷つくんですよ」
傷つくからこそ彼らに認めてほしい気持ちは人一倍のようだ。特にメンバーにはその思いが強い。氣志團には2006年から3年間、実質的な活動休止期間があった。綾小路は、その間、DJ OZMAとしてソロ活動を行った。
「ぼくのやり方にメンバーが不信感を持つようになったんですかね。悔しかったし、悲しかったけど『じゃあ、一旦、氣志團を休もうよ』と話をして、即ソロ活動を始めました」
その格好は、金髪のアフロヘアに真っ白なスーツスタイル。音楽も、踊れるクラブミュージックだった。人気を博して、紅白にも出場した。
「DJ OZMAはすごくうち向けに、メンバーに『やっぱりあいつはすごいんだ』と思われたくて、彼らに認められたい一心で始めました。だんだんお互いをわかり合って、2009年から氣志團をもう一度再開しました。だから、親友って、ぼくのことを傷つけることができる数少ない存在だと思うんです。
あとは、親友に仲のいい男友達がいると、やきもちを焼きますね。直太朗にも言いますもん。『どうせピエール瀧さん(49才)とか武井壮さん(43才)のほうが好きなんだろ』って(笑い)。
もちろん、ぼくにも仲いい人はいっぱいいるんです。もしかしたら具体的に固有名詞をあげたから『翔は、おれのことを親友って思ってくれてないんだ』と傷つく友達もいるかもしれませんが、今とっさに思いついた人をあげただけなので…嫌いにならないでね(笑い)」
※女性セブン2016年8月4日号