女性のムダ毛処理についてちょっとした議論が勃発した──。発端は7月13日、フランス人のアデル・ラボさん(16才)が、体毛を剃るのを拒んで学校でいじめを受けたとして、「毛を剃らない自由」をSNSで主張したこと。これに賛同するフランス人女性たちが次々と“未処理”の手足やわきの写真をアップしたため、世界中で賛否両論を巻き起こしているのだ。
2001年からパリに暮らす中村江里子さん(47才)は、2003年の女性セブン連載コラムで、当時びっくりしたのがフランス人がムダ毛を気にしないことだと明かしている。
「フランス人はムダ毛といっても、私たち日本人のように黒くはないから色は目立たない」と綴り、その上で彼女らは顔のうぶ毛を絶対に剃らない、と続けた。それは「顔にかみそりをあてる行為は、男性がするもの」「かえってうぶ毛が濃くなる」という考えが根強いためだという。
映画や舞台など数多くの海外セレブへのインタビューをしてきた、ジャーナリストの佐藤友紀さんも、「もともとヨーロッパでは毛に対する意識が日本やアメリカとは違う」と話す。
「ドイツの有名な振付家、ピナ・バウシュ(享年68)が率いる舞踊団の女性ダンサーにわき毛の処理をしていない人がいて、ロングドレスなのにわきはフサフサで踊る姿に驚いたことがあります。イタリア映画の女性はわきも口周りのひげも未処理でした」
このニュースを聞いた反応はさまざまだ。「フランス人は毛の色素が薄いから手足の毛がフサフサでもきれいでずるいと思いました」とコラムニストの辛酸なめ子さんは語る。
「わき毛は高校生の時、水着になった時に気になって処理しはじめましたが、すね毛の処理を始めたのは20代後半から。ずっとズボン派で必要性を感じなかったので。
それがある日、“すね毛、結構目立つな”と思って…今では永久脱毛でツルツルです。でも、毛から女性ホルモンが分泌されると聞いたり、欧米のかたが毛を処理せず堂々としているのを見たりすると、生やしたままでもよかったのかもと思います」