2007年5月3日、「市原ぞうの国」に、初めての赤ちゃんゾウが生まれた。「夢が花開くように」という願いを込めて“ゆめ花”と名づけられた彼女は、やがて長い鼻の先に絵筆を持ち、キャンバスに絵を描きはじめた。
「最初は、点々を描くのがやっとだったの。でも一生懸命練習して、今ではお花や自画像も描けるようになったわ」
ゆめ花画伯の作品は販売もされていて、一番人気は桜の絵。
「私が描いた絵を使ったグッズもいろいろあるし、画集も出したことがあるのよ」
絵を描くゾウが誕生するまでには、長い道のりがあったのだという。
「園長は20年前から絵を描くゾウを目指してたんだけど、大人のゾウは鼻が硬くなってて、繊細な筆づかいができないの。だから、私が生まれたときは“絶対に絵描きにする!”って張り切ったんだって」
両親、スタッフ、ゾウ使い、そしてお客さんたちの愛を一身に受けて育ったゆめ花。
「私は特別な女の子なんだって、ずっと思ってた。だから2013年に妹のりり香が生まれたときはちょっとショックだったわ。“かわいい”ってほめられるのは、私だけの特権だと思っていたから」
姉としての試練を乗り越え、今では姉妹なかよくショーで愛嬌をふりまく、ゆめ花は、やっぱり特別な女の子だ。
【プロフィール】
名前:ゆめ花 ♀
年齢:9歳
種類:アジアゾウ
勤務先:市原ぞうの国
職種:アーティスト
主な仕事内容:絵や文字をかいてゾウの魅力をお伝えすること。
お給料:入場料や、描いた絵の販売などで収入を得て自分たちの餌代を稼ぐだけではなく、ゾウ使いさんたちのお給料もそこから支払っている。
好きなこと:担当のゾウ使い、パヌジーさんと一緒にいること。
嫌いなこと:雷。
現在の悩み:大好きなゾウ使いのパヌジーさんが故郷・タイに帰っちゃったらどうしよう…。
将来の夢:まずは素敵な彼氏を見つけて、近い将来ママになりたい!
撮影■山口規子
※女性セブン2016年8月11日号