警視庁によると午後3~7時に発生している強制わいせつの被害者は、そのほとんどが、小学生・中学生だという。
「塾や夏期講習などの帰りは夜遅くなることが多く、送迎があっても、必ずひとりになる瞬間があります。不審者はその瞬間を見逃しません」
そう語るのは、安全生活アドバイザーの佐伯幸子さんだ。夜間のひとり歩きが危険なのは周知の事実だが、最近は、“歩きスマホ”が狙われているという。過去に大阪府警が逮捕した容疑者も、調べに対し、「スマホの操作中は注意力が散漫になるので狙いやすいと思った」と語っていたという。
「操作だけでなく会話も危険。暗闇でも前を歩くのが子供や女性だと“声”でわかる上、個人情報がバレるケースも」
都内在住の小学6年生の約7割がスマホや携帯電話を所有しているという調査結果も(文部科学省「全国学力・学習状況調査」(平成27年)をもとに「とどラン」が数値化。)。
まずは歩きスマホをやめさせることが、危機回避の第一歩になる。
そして、友達と外出する機会が増える夏休み。子供たちも浮かれ、警戒心がゆるみやすい。大人の目が行き届かない場所でどう対応するかは、常日頃から親子で話し合うことが大切だ。
「子供が被害に遭いやすい場所は駐輪場と駐車場で、発生件数の約5割を占めています(警視庁による平成25年調査)。どちらも暗くて人通りが少なく、死角になりやすい。なるべくひとりでは行かせず、友達と2人以上で行き、自転車は防犯カメラに映る場所に停めるよう指導を。また、公共のトイレを利用する際は、必ず親と一緒に行くようにしましょう」
近所の「子ども110番の家」の場所を確認しておくのもおすすめ。「子ども110番の家」とは、何かあった際に子供が逃げ込めるボランティアの一般家庭。事前に親子で挨拶にいっておくと安心だ。
※女性セブン2016年8月11日号