東京都知事選挙では新聞・テレビは小池百合子氏、増田寛也氏、鳥越俊太郎氏の“主要3候補”ばかりを取り上げたが、むしろ面白いのはいたい放題の“その他の候補”たちだった。
鳥越氏と同じジャーナリストでも、“その他”扱いをされていたのが上杉隆氏だ。そのことを選挙期間中にも舌鋒鋭く批判した。
7月24日に行なわれたニコニコ動画の都知事選候補者討論会では、当初、声をかけられていなかったことに対して、
「僕は世論調査4位なんです。宇都宮(健児)さんが立候補を表明していた時にはメディアは『主要4候補』といっていたのに、立候補を取りやめた途端に『主要3候補』に変わった。もし僕が世論調査で3位に浮上したら『主要2候補』になるんでしょう?」
と皮肉たっぷりにメディアを批判。討論会では増田氏を攻めまくり、司会者の夏野剛氏(ドワンゴ取締役)に止められたほど。終了後にも夏野氏にツイッターで「打診が遅い」と噛みつくなど、選挙戦のあり方に一石を投じた。
一方、選挙前からトラブルが心配されていたのが、ヘイトスピーチで問題になった在日特権を許さない市民の会(在特会)創設者の桜井誠氏だ。都知事選では外国人生活保護の廃止、反日ヘイトスピーチ禁止条例の制定、朝鮮総連・在日韓国民団施設への課税強化などを訴えていた。
そうした過激な主張への反発もあってか、7月24日の表参道での演説中には、通行人から「レイシスト死ねよ!」と罵声が飛んだ。すると桜井氏は激昂。演説を中断して「オッサン、来いや!」とマイクで挑発。選挙カーを降りて相手につかみかかろうとして、支援者に止められる一幕もあった。
※週刊ポスト2016年8月12日号