プロ野球界の「黒い交際」問題に絡んで、新たな“火種”が表面化した。渦中にいるのは、巨人OBで野球解説者の橋本清氏(47)なのだが、同氏は本誌の直撃に困惑しきりといった様子でこう話した。
「どうしてこんなことになったのか、寝耳に水です。経緯を知りたい。巨人はもちろん、NPBからも何も連絡がないんですから」
7月下旬に入り、橋本氏が現役選手と暴力団関係者の“橋渡し役”を務めたとする報道が相次いだのだ。
7月22日発売の『夕刊フジ』は〈巨人OB橋本清氏と関わるな〉と見出しに打ち、12球団の選手会が橋本氏との付き合いをやめるよう全選手に通達したと報じ、背景に元暴力団員との交際疑惑があると指摘した。
「報道があった日の深夜に橋本氏はCS放送フジテレビONEのスポーツ番組『プロ野球ニュース』に出演予定でしたが、急遽、代役が立てられた。メディア関係者の間でも深刻な事態と受け止められている」(キー局関係者)
昨年10月に発覚した野球賭博事件で4人の現役選手が巨人を契約解除となっただけに、球界が「黒い交際」に敏感になるのは当然だが、特定OBを名指しした反応はただごとではない。
「背景にあるのは、6月下旬、NPBが各球団に宛てて出した、“現役選手に接触する元暴力団員の存在”を顔写真入りで注意喚起する文書。各球団は当該人物を球場から排除するよう求められた。橋本氏はこの元暴力団員と現役選手を引き合わせていたとみられており、近くNPBに呼び出されて正式に聴取を受ける予定だという」(NPB関係者)
PL学園の右のエースとして甲子園春夏連覇も達成した橋本氏に浮上した黒い疑惑。本人を直撃した。
「(問題の元暴力団員とは)以前所属していた事務所の紹介で2~3回会っただけで、芸能関係者と聞かされていた。反社と知っていたら付き合わないし、2010年暮れ頃から連絡も取っていない。選手を紹介したこともない」
2月には同じPL学園出身の清原和博氏が覚醒剤所持で逮捕されているが、「自分はそんなこと(薬物)はやっていません。あっち(野球賭博)も誓ってない。(テレビ出演の取り止めは)報道を受けて調整しました。詳しいことがわからないし、巨人やNPBに自分から問い合わせるわけにはいかないですからね……。NPBからの呼び出し? 今のところないです」と最後まで困惑の色を隠さなかった。
新たな球界醜聞の発端となるのか。
※週刊ポスト2016年8月12日号