東京都知事選挙では新聞・テレビは小池百合子氏、増田寛也氏、鳥越俊太郎氏の3候補ばかりを取り上げたが、面白いのは言いたい放題の“その他の候補”たちだった。
3度目の都知事選出馬となるマック赤坂氏は、「大手メディアの3候補への偏りがひどい。取り上げてもらうためにはこの方法しかない」と記者に息巻いた。同氏の秘策は、主要候補の演説会場に乱入するという“戦術”。鳥越陣営には警察を呼ばれてしまったり、基本的には相手にされなかったが、唯一、“友好的”だったのが小池氏だった。
7月23日には新宿アルタ前で鉢合わせ、後から演説を始めた小池氏が「マック赤坂さんのご協力もありまして……」と場所を譲ってもらったことに謝意を示すと、よほど嬉しかったのか、「ヒラリー百合子、あなたを都知事にします!」と、すっかりサポーターと化していた。
夜は新宿・歌舞伎町のドン・キホーテの前に街宣車を止め、なぜか中森明菜の『DESIRE』や松田聖子の『青い珊瑚礁』をひたすら流す。
「懐メロを聴く機会のない若者たちに『日本が元気だった頃』の音楽を聴かせるという意図があるそうです」(マック氏の選挙スタッフ)
その“意図”は常人の理解を超えている。
※週刊ポスト2016年8月12日号