いよいよ開幕したリオデジャネイロ五輪。日本選手団の中で、金メダルの可能性が最も高い競技といわれているのが男子体操だ。ロンドン五輪で男子個人総合金メダルを獲った内村航平選手など、最強メンバーで今大会も臨む。『オリンピックと商業主義』(集英社新書)著者でスポーツライターの小川勝さんが解説する。
「団体と個人総合、床は金メダルを獲るでしょう。ベストといえない演技でも、金メダルの可能性はあるほど、能力がずば抜けています」(小川さん)
また、小川さんは、女子の活躍にも期待している。女子は、東京五輪(1964年)の団体銅メダル以降、メダルを獲得していないが、小川さんによれば、身長140cm台と超小柄な寺本明日香選手の活躍次第で、その獲得の可能性があるという。
「個人総合で、ベストの演技ができて、試合展開いかんでは、銅メダル争いが可能なところにいます。また、団体もメダルをねらえます。体操チームは5人で1組です。全員ベストな演技ができれば、夢ではありません」
国民栄誉賞を受賞して、3大会連続金メダリストの吉田沙保里選手を筆頭に女子はメダル候補ばかりなのがレスリングだ。
「ただ、今回、ルールの変更がありました。攻撃的な姿勢から技を決めた時のポイント数が高くなりました。つまり、攻撃的に技を決めれば、大逆転が可能になりました。吉田選手や伊調馨選手のような強い選手に対しては、格下選手は一か八かの勝負を挑んでくるかもしれない。要注意です」(小川さん)
一方、バスケットボールは、男子は出場を逃したものの、女子がアテネ五輪(2004年)以来12年ぶりに出場する。スポーツジャーナリストの島村俊治さんはこう話す。
「身長190cm超で、アメリカのプロリーグに所属する渡嘉敷来夢選手の活躍が楽しみです。メダルは厳しいかもしれないが、いいゲームをしてほしい」
そもそもバスケットボールは五輪に出場すること自体が難しい競技だという。
「バスケットボールは、世界でわずか12か国しか出られません。だから、出場するだけですごい。出場が12か国になって以来、日本の最高成績は7位です。だからもし、今回6位以上になったら、とても価値があることだと思います」(小川さん)
※女性セブン2016年8月18・25日号