『3年目の浮気』のヒットで知られる「ヒロシ&キーボー」のキーボーこと山田喜代子(59才)が、コンビニで1600円のアイカラーを盗んだとして逮捕された。キーボーは容疑を否認しているという。
2014年版の犯罪白書によると、高齢者の検挙人数は4万7252人で、20年前の4倍にふくらんでいる。高齢者の女性では、検挙人数の実に8割以上が万引きで逮捕されている。
窃盗の常習患者の治療を行う数少ない医療機関である赤城高原ホスピタル(群馬県渋川市)の竹村道夫院長は、これまで1470例の常習窃盗の患者の治療に携わってきた。その中で見えてくる大きな原因のひとつが「ストレス」。
「特に女性の場合は、ライフサイクル上の健康問題や家庭内ストレスが背景にあることが多い。摂食障害の合併があったり、更年期の問題があったり、結婚している人であれば子供が独立したり、夫の浮気があったり、老年期では身近な人が亡くなったり。たまたま万引きしたら意外に成功して、ずるずるとハマってしまうのです」
現役万引きGメンで、『万引き老人──「貧困」と「孤独」が支配する絶望老後』(双葉社)の著者、伊東ゆうさんは、「家族との不仲や介護」が万引きを引き起こすことも多いと指摘する。
「そういった人は、孤独で寂しく、社会に自分の存在を認めてほしいという欲求が非常に高い。万引きした人に聞くと、生きている実感が味わえる、誰かとかかわれてうれしい、といった声も上がります」
食品などその場ですぐ食べられる物を盗む人は生活困窮者。そうでない物を盗む人は、どこか満たされていない人であることが多いという。
「その人の生活の中で大きな意味をもたらすものを盗む傾向があります。ある見栄っ張りな人は、人に配るお茶を盗んでいました。キーボーはアイカラーでしたが、華やかな絶頂期の自分でいたいとの思いがあったのかもしれません」(伊東さん)
※女性セブン2016年8月18・25日号