今年こそはいける! そう思いながらも20年以上期待を裏切られてきた広島カープファン。25年前の優勝、最強の赤ヘル軍団時代を知る、安仁屋宗八、達川光男、北別府学の3氏が、底抜けに明るく、優勝への展望を語った。
──8月上旬で早くもマジック点灯となれば、球団史上最速(過去最速は1980年8月24日)。さすがにもう優勝は間違いないですか?
安仁屋:ホントは「間違いない」と言いたい。言いたいんだが、新井(貴浩)とかが「阪神ではオールスターまで13ゲーム差あったのをひっくり返されたこともあって……」なんて言ったり、調子のいい選手が自分から色んな悪い例を引き合いに出してくるから、見てるこっちもなんだか不安になってくる(苦笑)。
北別府:達川さんやボクらは、何度も優勝した経験がある(リーグ制覇5回)。その感覚でいえば「100%確実」なんですよ。ただね、ボクたちが引退した後、三村(敏之)監督時代の1996年に11.5ゲーム差を巨人に逆転されたでしょ。あの“メークドラマ”のイメージがあるから、「もう大丈夫」とは言いづらいですね。
達川:まぁ他の5球団を見ても、ひっくり返す材料はないわね。苦い経験のある緒方(孝市)監督と新井じゃから「何があるか分からんぞ」と、若い選手を引き締めとるんでしょう!
──その新井は今年39歳にして“大化け”。絶好調です。
達川:自ら阪神に自由契約を申し出て、覚悟を決めてカープに戻ったのが大きい。そら、広島ファンはぶち応援しますよ。新井の練習に取り組む姿勢は素晴らしい。なにしろ入団した当時は無茶苦茶ヘタでしたから。
安仁屋:確かに守備はド下手だった(笑い)。ただ、物凄く練習したよね。
達川:必死に努力するから、みんなから可愛がられるんです。前田智徳が打撃センスの塊だったとすれば、新井は全くノー・センス。ギャグセンスならあるんかもしれんけどね。あと、当時で言えば江藤(智)も。変化球はダメで、真っ直ぐしか打てなかった(笑い)。
安仁屋:カープの選手はよう練習するから伸びるということやね。昔からそう。