かつて強かった頃広島カープは、堅守好投、バントをして良く走るチームだった。しかし、今年の強いカープは間違いなく打つチームだ。最強の赤ヘル軍団時代を知る3人、安仁屋宗八、達川光男、北別府学の3氏が、格段によくなった広島打線、「神ってる」と言われる鈴木誠也の勝負強さについて語った。
──チームの原動力は、昨年と比べ格段に良くなった打線でしょうか。
安仁屋:石井琢朗、迎祐一郎、東出輝裕の3コーチが、試合前の練習で選手たちに、実によくバットを振らせている。その効果が出ているんじゃないかと思うよ。
達川:それは大きいと思いますね。田中(広輔)が軽く振ってる感じで逆方向に大きな当たりを打てている。下水流(しもずる)昂、西川龍馬と若い選手が出てきた。それにベテラン、中堅が噛み合っている。
達川:石井コーチが「三振を減らす」と言っていて、2ストライクまでは思い切って振るけど、追い込まれたら反対方向へ押っつけるのを徹底させている。それで三振が減って、四球がかなり増えた(8月3日終了時点で364四球はリーグ2位。記録は以下同)。
安仁屋:そうそう、田中、菊池(涼介)、丸(佳浩)の1、2、3番は、打率もさることながら、四球をよく選んでいる。特に田中ね(57四球はリーグ5位)。
北別府:ボクは打たせて取るピッチャーだったから、今の広島打線を相手にしてたら大変だったでしょうね。追い込んでも臭い球をカットされているうちにイライラして四球が増える。振り回してくれる方が、簡単に打ち取りやすいですからね。