「経歴詐称などで騒動になる人を見ると、『あぁ、この人は名古屋嬢っぽいな』って感じます。あれは行き過ぎた“サービス精神の現われ”なんですよ」
そう語るのは、自らも「“名古屋嬢気質”だったからこそ活躍できた」と語る毒舌女性タレント・青木さやかだ。彼女は愛知県瀬戸市で生まれ、名古屋市にある大学で「女子大生」生活を送っていた。
“名古屋嬢”とは、ルイ・ヴィトンなどひと目で分かる高級ブランドに身を包み、大きくカールを巻いたヘアスタイル、通称『名古屋巻き』でキメた女子を指す言葉。2000年代初頭にファッション誌『JJ』(光文社)が命名し、一躍世に広まった。
ただし、芸能界で活躍する“名古屋嬢”は、「ウザい」と炎上のターゲットになりがちだ。その理由を青木が分析する。
「名古屋はもともと“盛り”の文化なんです。これはサービス精神の現われ。喫茶店のモーニングサービスも過剰に盛ってくるでしょ。名古屋嬢にもその精神がある。髪の毛を盛ったり、過剰に可愛らしさを演出するのもその気質あればこそ。さらに“演じてでも”期待に答えようとしてしまう。たまに、このサービス精神が行き過ぎて炎上するんです。私もできないくせに『中国語できます』って経歴を盛っちゃって、大変なことになった経験があります(笑い)」
また炎上の原因は「本音を語ってしまう無防備な気質にある」と同じく名古屋出身のコラムニスト・ペリー荻野氏は話す。
「安藤美姫さんも浅田舞さんもよせばいいのにポロリと本音で話したり、ツイートして炎上してしまう。山田まりやちゃんも本人は真面目に『節約が大好きです』と発言しても、『庶民のフリするな』と言われてしまう。無防備だからこそ、こうしたことが起こる。でもこれは愛すべきことです。現になんだかんだ皆さん活躍しているでしょう」
前出の青木も「炎上は決して悪いことではない」という。
「今のうちにしっかり炎上しておきなさい。そのうち何を言ってもボヤさえ起きなくなる日が来るかもよ」
※週刊ポスト2016年8月19・26日号