この夏から皇居見学が、事前予約なしでできるようになった。大切に保存整備されてきた皇居を吹き抜ける風はどんな香りがするのだろうか。皇居側から見る21世紀の東京も見ごたえありそうだ。
徳川時代、265年に渡り将軍の居城として栄えた江戸城。明治維新後は天皇皇后両陛下のお住まいとなり、現在の皇居の歴史が始まった。
皇居の面積は約115万平方メートル。広大な敷地のうち、自由に参観できるのは皇居東御苑(無料)のみ。通常は入ることができない一般参観コース(無料)は、これまで事前の申し込みが必要だった。それが今年6月末より当日受付での参観が可能に。
コースは1周約2.2km、約1時間15分。新年の一般参賀で目にする両陛下や皇族方がお出ましになる宮殿をはじめ、正門鉄橋や宮内庁庁舎などを職員の説明付きで間近に拝観できる。東京とは思えないほど緑が多く、空も広い。今は蓮の花も見頃。季節それぞれの表情に出合えそうだ。
【宮殿東庭】
現在の宮殿は、戦災で焼失した明治宮殿の跡地に再建され、国の重要式典の会場として使用されている。新年と天皇誕生日の一般参賀が行われるのもこちらで、約4500坪の庭に2万人を収容。幅約160mの長和殿の中央バルコニーで両陛下と皇族方が祝賀をお受けになる)。
【富士見櫓】
石垣の高さは 約14.5m、櫓は高さ約15.5mと、下から見上げると圧巻。熊本城を築城した加藤清正が手掛けたといわれる。皇居には3つの櫓が残っており、富士見櫓は本丸跡に現存する唯一の櫓。明暦の大火(1657年)、いわゆる振袖火事で天守閣が焼失した後はその替わりを務め、望楼(物見櫓)の役割も担っていた。
【一般参観データ】
受付/桔梗門前 9:30~10:00、13:00~13:30の2回(どちらも1時間前から整理券配布)。1回定員180人。日・月・祝日(8月31日までは午後参観休止)。身分証明証の提示が必要。
※女性セブン2016年8月18・25日号