放送50周年を迎えた『笑点』(日本テレビ系)は、桂歌丸から春風亭昇太へ司会者交代、林家たい平が『24時間テレビ』マラソンランナーに決定など話題が尽きず、視聴率20%超えが続いている。そんな人気番組の裏話を、最古参で最年長となった林家木久扇(78才)に、たっぷりと聞いた。
――メンバー仲良さそうですが、楽屋はどんな様子ですか?
木久扇:みんなで世間話していますよ。そこから面白い話題を拾っている感じですね。学校の休み時間みたいに雑談していて、本番ですよと呼ばれるとぞろぞろ出ていく感じです。後楽園ホールのボクサーの控室を使っているので、壁に血のりがついて黒ずんでいる部屋なんですよ(笑い)。
『本日の楽屋』ってコーナーのために楽屋を撮影しているので、気が気じゃないんです。仲間内のこととか、テレビ局の悪口は言えません(笑い)。
――リハーサルは念入りにしているんですか?
木久扇:ほとんどないですよ。司会者に「どうなんだい?」と聞いても教えてくれないし。ま、でも、長年やっているので回答が浮かぶんですよね。出題が面白くないと答えも面白くならないのですが、質の高い問題を考えるのは難しいですよね。
――ぶっちゃけ、台本はありますか?
木久扇:台本はありますけど、何も書いてないんですよ。矢印が引いてあって、「ここで1問」って書いてあるくらい。空白ばかりで意味がないのですが、一応作らなきゃいけないのかもしれませんね。大喜利以外のゲストもいますからね。司会者の挨拶の言葉は刷ってありますが、歌丸さんは台本通りに言っていませんでした。
――面白い回答のコツを教えてください。
木久扇:ぼくはもともと漫画家だったので、漫画の主人公のような決め言葉を作るんです。「いやん、ばかん」もそう。「杉作! 日本の夜明けは近い!」っていうのは、『鞍馬天狗』を下地にしているんですけど、原作にはないぼくが作った造語なんです。なにかいい答えが言えた時なんかに使えるんです。
そういう便利な言葉を7つくらい持っていて、代わる代わる使っています。わからなくなると「いやん、ばかん」と歌ってごまかしたりして(笑い)。
歌うのも理由があって、ただ答えるより、カメラに映っている時間が長くなるんです。あとでメンバーにずるいと言われます(笑い)。たい平さんが「ふなっしー」って飛んでるのも同じですね。自分が長く映るし、周囲も巻き込むから、「痛えな、なにすんだよ」って言いつつ、円楽さんたちも得してるんです。
――木久扇さんの着物は、昔は赤だったそうですね。