中国上海市のゴルフ場で、キャディ100人以上が夜間勤務手当の支給などの待遇改善を求めて、大規模なストを行っていたことが分かった。
中国ではゴルフは「ブルジョアの遊び」とのイメージが強く、プレー中に商談をして多額の賄賂がやり取りされるなどのうわさも多く、習近平国家主席の贅沢禁止令など影響で、中国共産党員へのゴルフ禁止が昨年秋、通達されている。今回のキャディのデモも、ゴルフ客激減の影響によるものとみられる。香港に本部を置く非政府組織「中国労工通信」が明らかにした。
このゴルフ場は市近郊にある上海銀濤ゴルフクラブで、虹橋空港からは10km足らずのところにあり、空港から10分少々の距離と、「このゴルフ場の最大の魅力は上海市街地から近いこと」と日本人駐在員の間でも人気のあるゴルフ場だ。
また、ネット上の同ゴルフクラブの紹介によると、このゴルフ場の売りはナイター設備を有することで。最終スタート時間は、18ホールプレーする場合は19時、9ホールの場合は21時だという。
夜間のプレーをする際には、プレーヤーにはキャディも当然同行するので、キャディにとっては夜間勤務となる。18ホールの最終スタート時間は19時。9ホール場合は21時なので、キャディには夜間勤務手当がつくことになる。
しかし、同通信によると、「新たな経営者により、夜間勤務手当が減額され、長時間勤務しても、従来の勤務手当が支給されなくなった」ことで、100人あまりのキャディが一斉にストライキに突入したようだ。
同通信は続けて、「キャディのストライキは中国では珍しいのだが、銀濤ゴルフクラブのストの2日後には上海のほかのゴルフ場で、手当が支払われないことに抗議してのキャディやゴルフ場従業員によるストが起きている」と報告している。
これについて、在上海の邦人駐在員は「上海では最近、景気が減退していることもあって、日本人だけでなく、他の外国人駐在員や中国人ビジネスマンもゴルフをする人が減っているのは間違いない。最近、共産党員のゴルフ禁止令が出たことも、ゴルフ場経営を圧迫しているようだ」と指摘する。