有料老人ホームを表彰する『リビング・オブ・ザ・イヤー2016』の1次選考が7月上旬に行なわれた。老人ホーム業界を取りまとめる「高齢者住宅経営者連絡協議会(高経協)」が主催するこの賞は、その年の優れた高齢者住宅を決めるコンテストだ。1次選考を通過した18施設の中から、医療地域連携部門で高評価を受けた施設を紹介する。
医療機関との連携も、高齢者施設選びでは重要なポイントだ。とくに病院が併設されている施設は人気が高い。
「マザアス南柏」(千葉・流山市)は看護師が24時間態勢で常駐し、日中は併設されたクリニックで医師による診察も受けられる。常駐している看護師が話す。
「毎朝、医師と看護師が入居者の健康状態などの情報を共有しています。健康状態を日々チェックできる環境にあるので、私たちも入居者さんの看護をしやすい。入居者さんには心強いのではないでしょうか」
併設クリニックで対処できない状況になっても、近隣には3つの協力医療機関があるので不安はない。高経協事務局長で「タムラプランニング&オペレーティング」代表の田村明孝氏が言う。
「同施設では、他の施設だと受け入れを拒否されることが多い、インシュリン投与が必要な重度の糖尿病患者、胃ろうやストーマ(人工肛門)、ペースメーカーを付けている方でも受け入れています。これは医療機関との密接な連携があるからこそ可能といえます。看取り経験も豊富なので、最期を想定して入居することができます」
施設内にはチャペルも併設されている。
「入居者が亡くなった後、ほとんどの遺族が、そのチャペルで仏式、神式問わず葬儀を執り行なっています」(職員)
人生を締めくくる場所に求めるものは人それぞれ違う。だからこそこうした「優れた施設」の情報を上手に活用したい。
※週刊ポスト2016年8月19・26日号