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退職金の社内格差拡大中 年功より貢献度評価するポイント制

退職金の格差はどこでつく?

 サラリーマンの老後資金の虎の子ともいえる「退職金」。大企業の場合、一体どれほどもらえるのだろうか。たとえば、トヨタ自動車で次長クラス(基幹職2級)まで務めた60代半ばの男性は退職金についてこう語る。

「勤続37年で、年金分を差し引いた退職一時金は3000万円弱を受け取り、そのまま貯金に回しました。定年延長して系列会社で現役を続けていますが、給与はそれまでの半分。当初は生活パターンを変えるのに苦労しましたよ」

 とはいえ、退職金に手をつけずに当座の生活が成立するケースはそう多くない。

「トヨタOBでも恵まれているほうでしょう。個人が積み上げてきた評価によって退職金額はかなり違ってくる」(同社関係者)

 こうした“社内格差”はひとつのキーワードだ。人事ジャーナリストの溝上憲文氏が解説する。

「かつて日本企業の退職金は、『基本給×勤続年数×支給事由別係数』という計算式で算出されていました。簡単にいえば終身雇用を前提に、新卒一括採用で長く勤めて会社に貢献する社員が奨励され、退職金も多くもらえた」

 計算式の3つ目に挙がった「支給事由別係数」は、自己都合で退職した人が1.0ならば、会社都合の場合は1.2~1.3といった具合に割増しされる仕組みだ。このシンプルな仕組みなら、「先輩のもらった退職金と同じ額を、いずれ自分ももらえる」と予測がついた。

 ところが溝上氏は、「1990年代後半を境に大きく変貌した」と続ける。

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