夫婦の日常も様々だが、あらゆる夫婦のエピソードが、漫談家の綾小路きみまろにメールや手紙で続々と寄せられている。今回寄せてきたのは、ご主人(50歳)が住宅メーカー勤務の奥様(47歳)。ご主人、モテ期到来です。
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容姿も普通で、浮いた話は聞いたことがありませんでした。それが1年前から部下たちに大モテに。主人の父から生前贈与で500万円を受け取り、「大学時代の友人が証券会社にいて『絶対に損はさせないから』っていうんだ。株に投資していいかな」と相談されました。「あなたのお金だから自由に使って」とOKしたんですが、主人の買った株が急騰、にわか成金に。
うちに遊びに来た部下の方の話によると、「飲み会なんか、女子社員が僕たちそっちのけで部長を取り囲むんですよ。飲み代も払ってくれるし、帰りにはタクシー代として全員に1万円くれるんです」。
主人にその話をすると、「困っちゃうよなあ。『部長ってステキ』って、しなだれかかってくる子もいるんだ。でも安心しろ、浮気はしないから。でも、モテ過ぎるのも疲れるよなあ」。
しかし、そのモテ期も半年ほどでした。証券マンの友人のアドバイスを聞かず、自分で銘柄選びをしたのが大失敗。会社の飲み会も「割り勘だ」。女子社員の評価もガタ落ちです。所詮、お金でモテてただけですから。「陰でオレのことを『舛添部長』とか『セコ部長』とか呼んでるらしいんだ。飲み会に誘っても皆断わるし、タクシー代、返せ!」と愚痴る主人。
そんなこといってると、余計に「セコい」っていわれるわよ。「お金はおっかねぇ」、よく覚えておきなさい。
※週刊ポスト2016年8月19・26日号