2016年内での解散を発表したSMAP。もちろんファンにとってみれば、これほどまでにショックなことはない。
「熱心なファンが『世界に一つだけの花』の購買運動をすることで、グループの存続を願ってきましたが、それがメンバー全員に同じように響いてなかったんですね。解散することが悪いわけではありません。ただ解散の仕方が悪すぎる」(コラムニストの田幸和歌子さん)
SMAPのCDやグッズ、コンサートチケットやファンクラブの売り上げは25年間で約3000億円に上るとされる。メンバーの才能と努力はもちろんだが、それだけの金額を払ってきたのはSMAPファンに他ならない。
「今年1月の解散騒動以降、事務所の社長であり、SMAPの“産みの親”であるジャニー喜多川さんは再三再四、メンバーと話し合ってきました。“ファンが待ち望んでいるんだから25周年のライブをしようよ”と、懇願するようにメンバーに語りかけたそうです。それでも彼らは首を縦に振らなかった。大恩人の言葉にも耳を貸さず、ファンとのお別れをする場であるはずの解散ライブもしようとしない。それなのに事務所には残りたいと言う。“まったく周囲に目がいかず、わがままがすぎる”と事務所スタッフも漏らすほどです」(芸能関係者)
そもそも、1月の解散騒動後、“再出発”を誓っていたのはメンバー自身だった。その言葉に安堵していたファンをたった数か月で裏切る形となったのは紛れもない事実だ。
すでにジャニー社長が明言していてファンが大きな期待を寄せていた25周年ライブも行わず、紅白への出場も今のところ見通しは立っていない。2020年の東京パラリンピックの応援サポーターという国家的事業へも参画していたが、解散によって途中でリタイアとなった。
レギュラーのテレビ番組だけでなく、多くの関係者が汗を流している事業が中止に追い込まれている。中学生や小学生から芸能活動をしていて、世間知らずだというのは言い訳にはならない。「大人力」についての著述が多いコラムニストの石原壮一郎さんが指摘する。
「大人の引き際としては疑問が残ります。そもそも仲間割れを理由にして解散するなんて、中学生の部活動のケンカじゃないんですから。社会的に大きな影響力を持つ人のすることではない。よく芸能界ではグループが解散するときに使う『卒業』という言葉がありますが、“それぞれが新しい道を歩むために”とか何とか理由をつけて、本音はグッと胸に秘め、『卒業』していくのが大人のやり方でしょう。