国内

公明党婦人部 手綱の締め方を間違えれば党に深刻な亀裂も

平和の党の足下で何が起きているのか

 安倍政権が「安保法制」を押し進めた昨年以降、政権の一翼を担う公明党の存在がクローズアップされている。同党が支持母体とする創価学会は、平和主義をかかげる。とりわけ、創価学会の「婦人部」は、改憲への忌避感が強いとされる。季刊「宗教問題」編集長の小川寛大氏が解説する。

 * * *
 創価学会とは強固な“男性型組織”である。歴代の会長は全員男性。最高幹部職である副会長(300人近くいる)の中にも女性はいない。

 しかし創価学会の婦人部は、しばしばメディアなどから「創価学会の最強軍団」などと称されるほどの存在感を見せる。いったいなぜか。婦人部が、学会の日々の活動の柱石たる存在だというのは事実である。新会員の多くが2世、3世信者となり、“外からの新会員”が相対的に少なくなった現在でも、婦人部メンバーたちはママ友仲間を学会の活動に誘うなど、組織の底辺拡大のため尽力している。

 選挙時のフレンド票(創価学会員以外から集める公明党票)獲得作戦も、彼女たちは熱心に電話や訪問を行う。ある創価学会関係者はこう分析してみせる。

「創価学会の男性会員の場合、日頃の活動は厳密な評価の対象です。『こいつはできる』ということになれば、幹部コースへの道も開けます。しかし女性たちにそういう可能性はあまりない。ただ、それゆえに、婦人部には“打算なく目の前の活動に打ち込む”という純粋な信仰が培われた」

 その婦人部は、必ずしも“本部の意のままに動くロボット”ではない。かつて、ある自民党国会議員の下半身スキャンダルが世間を騒がせた時のこと。ある創価学会の幹部は、苦りきった表情で言った。

「婦人部は、こういう話を一番嫌う。選挙のときこういう状況を前にして、『自民党と協力しましょう』なんて言えませんよ」

 彼の表情に浮かぶ憂慮は、創価学会・公明党中央が、婦人部との関係に日ごろ、いかに心を砕いているのかを示していた。創価学会の池田大作名誉会長が、高齢などの問題から公の場に姿を現さなくなって久しい。しかし“池田思想”の根幹とは世界平和の希求であり、池田氏は憲法9条を高く評価していた。ところが現在、公明党は改憲派である安倍政権の方針に基本的に同調している。

関連記事

トピックス

休養を発表した中居正広
【独自】「ありえないよ…」中居正広氏の実兄が激白した“性暴力認定”への思い「母親が電話しても連絡が返ってこない」
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
〈山口組分裂抗争終結〉「体調が悪かろうが這ってでも来い」直参組長への“異例の招集状” 司忍組長を悩ます「七代目体制」
NEWSポストセブン
筑波大学の入学式に出席された悠仁さま(時事通信フォト)
「うなぎパイ渡せた!」悠仁さまに筑波大の学生らが“地元銘菓を渡すブーム”…実際に手渡された食品はどうなる
NEWSポストセブン
新年度も順調に仕事を増やし続けている森香澄
《各方面から引っ張りだこ》森香澄、“あざとかわいい”だけじゃない「実はすごいアナウンス力」、「SNSの使い方はピカイチ」
NEWSポストセブン
4月7日、天皇皇后両陛下は硫黄島へと出発された(撮影/JMPA)
雅子さま、大阪・沖縄・広島・長崎・モンゴルへのご公務で多忙な日々が続く 重大な懸念事項は、硫黄島訪問の強行日程の影響
女性セブン
女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された(左/時事通信フォト)
広末涼子の父親「話すことはありません…」 ふるさと・高知の地元住民からも落胆の声「朝ドラ『あんぱん』に水を差された」
NEWSポストセブン
SNSで出回る“セルフレジに硬貨を大量投入”動画(写真/イメージマート)
《コンビニ・イオン・スシローなどで撮影》セルフレジに“硬貨を大量投入”動画がSNSで出回る 悪ふざけなら「偽計業務妨害罪に該当する可能性がある」と弁護士が指摘 
NEWSポストセブン
筑波大学の入学式に出席された悠仁さま(撮影/JMPA)
悠仁さま、入学式で隣にいた新入生は筑附の同級生 少なくとも2人のクラスメートが筑波大学に進学、信頼できるご学友とともに充実した大学生活へ
女性セブン
都内にある広末涼子容疑者の自宅に、静岡県警の家宅捜査が入った
《ガサ入れでミカン箱大の押収品》広末涼子の同乗マネが重傷で捜索令状は「危険運転致傷」容疑…「懲役12年以下」の重い罰則も 広末は事故前に“多くの処方薬を服用”と発信
NEWSポストセブン
人気のお花見スポット・代々木公園で花見客を困らせる出来事が…(左/時事通信フォト)
《代々木公園花見“トイレ男女比問題”》「男性だけずるい」「40分近くも待たされました…」と女性客から怒りの声 運営事務所は「男性は立小便をされてしまう等の課題」
NEWSポストセブン
元SMAPの中居正広氏(52)に続いて、「とんねるず」石橋貴明(63)もテレビから消えてしまうのか──
《石橋貴明に“下半身露出”報道》中居正広トラブルに顔を隠して「いやあ…ダメダメ…」フジ第三者委が「重大な類似事案」と位置付けた理由
NEWSポストセブン
異例のツーショット写真が話題の大谷翔平(写真/Getty Images)
大谷翔平、“異例のツーショット写真”が話題 投稿したのは山火事で自宅が全焼したサッカー界注目の14才少女、女性アスリートとして真美子夫人と重なる姿
女性セブン