極度の不振でセリーグ最下位に沈むドラゴンズの谷繁元信・監督の“電撃休養”の余波はまだまだ収まりそうにない。
「今回の一件は、白井文吾・球団オーナーの後ろ盾を得た落合博満・GMが、監督に責任を押し付けたもの。落合GMは監督に相談もせず、ベテラン勢を切ったり、補強もすべて自分で仕切っていた。それらが全くうまくいかなかった結果の低迷ですから、谷繁監督含め球団関係者は“GMの契約は来年1月に切れる。それまでの我慢だ”という気持ちでなんとか頑張っていた。
にもかかわらず、夏場に入って落合GMが“今年もBクラスなら谷繁解任”と発言したという情報が流れ、コーチ陣も球団幹部も一斉に谷繁監督から離れていった。孤立して、最後は谷繁監督が連れてきた佐伯貴弘・守備コーチくらいしか話せる味方はいなかった」(球団関係者)
谷繁パージ後の球団内には火種が残った。親会社・中日新聞社の内部で、白井―落合ラインの専横に批判的な勢力が力を増しているのだ。同社関係者はこういう。
「社内に相当数の反オーナー派が存在するのは、紙面でわかる。中日新聞・中日スポーツが自社の代表取締役会長でもある白井オーナーの批判と読めるような異例の記事を載せているんです。〈白井オーナー翻意〉といった見出しが躍り、記者の署名入りで〈監督だけの責任か〉と表題をつけたコラムまであった。谷繁監督の無念を晴らそうという空気が広がっている」
落合GMの腹心である森繁和・ヘッドコーチが現在監督代行としてチームを引き継いでいるが、一向に浮上の兆しがない。
「白井オーナーは88歳でゴルフのエージシュートを達成するほど元気。本人はまだ引退する気はないが、強引に監督を休養させておいて最下位で終われば、落合GMと合わせて責任追及の声が社内からも公然と出てくる」(同前)
チームは最下位に落ち着きつつあるが、親会社内のバトルはこれから目が離せない。
※週刊ポスト2016年9月2日号