割れていたり、切れ端だったり、箱が潰れていたりと、見た目にちょっと難ありの“ワケありグルメ”。これが今、人気なのだという。
「ワケありの食品は、割れていたり折れていても、味に問題はありません。普段は贈答品に使うような高級食材を、気軽&安価に口にできるのが魅力です。それに、従来は捨てられていた食材ですから、廃棄ロスをなくすという意味で社会貢献もできてなおうれしいですね」
と話すのは、節約アドバイザー・丸山晴美さん。
独立系の専門サイトとしてワケありの元祖的存在の「北海道わけあり市場」を運営するのが旭川市のノース物産。同社ウエブ担当の佐藤まどかさんは、ワケあり通販が生まれた背景をこう話す。
「当社はネットでのお取り寄せギフトが主流なので、その販売基準に合わせて海産物などを選別していくと、形が崩れていたり、不揃いだったりといった理由で、ギフトとして売れない食材が出てきます。逆に言うと見た目は悪くても、クオリティーは高い。当サイトでそういったワケあり食材を集めて2007年から販売を始めました」
また、どの部分に問題があってワケあり商品となったのかを明確に伝えることも心がけているという。
前出の大手サイト・楽天市場は、「訳ありスイーツ特集」や「訳ありグルメ特集」などカテゴリ別に商品を集め、通常品と遜色ない品揃えに。消費者がワケありの中から好みの物を選ぶことを可能にしたといえる。
郊外の工場で開催される、ワケあり食品の直接販売などの地域密着型のセールは、知る人ぞ知るお得な販売方法だ。『小菅製パン』(千葉)の“ワケありパン販売”もその1つ。
「大量生産で発生する規格外や焦げ、サイズ違い、余剰品、キャンセル品、印字ミスなどのワケあり品を、6年前から毎週土曜に販売しています」(同社社長・小菅大輔さん)
味と品質に問題はなく、値段も格安。『コスゲパン』は地元で人気だけに、毎週約800人が行列を作る。
こうした食品のワケあり品を購入する前にしておきたいのが、「冷蔵庫の整理」だ。
「安さにつられて買いすぎ、余らせてしまうとかえって無駄に。購入前に必ず冷蔵庫や冷凍庫を整理して臨んで。ご近所さんと共同購入すれば、多種類を少しずつ分けられ、おすすめです」(丸山さん)
賢く買って上手な節約を!
※女性セブン2016年9月1日号