「ハーイ! ウエルカムトゥ、ヤマコシ!! アイアム…、えーっと、あら日本暮らしが長いから英語を忘れちゃったわ」。柵の間から挨拶に出てきてくれたのは、アメリカ生まれのアルパカ・ドリー。
「私の誕生日は、2004年11月。その直前に中越地震が起きて、ここ、山古志は甚大な被害を受けたの」
このことを知った米国コロラド州のアルパカ牧場が『山古志が元気になれば』とアルパカを寄贈することになる。
「でもね、当時の山古志の人たちは誰もアルパカがどんな動物か知らなかったんだって」
しかしながら山古志は古くから牛を飼育してきた土地柄。広い意味では牛の仲間であるこの動物を受け入れることにしたという。
「そうして、第1号としてやって来たのが、私を含めて3頭のアルパカというわけ」
現在20頭以上が暮らすアルパカ村は入園料無料。世話をするのは村のおじいちゃんたちで、設置されている募金箱への寄付は彼らの手間賃となる。
「隣の販売所ではおばあちゃんたち手作りの野菜やグッズを並べていて、大人気! 駐車場がいっぱいになるんだから」
山古志が元気になれば…と贈られたアルパカたちは、村に住む人々を確実に元気にしている。
【プロフィール】
名前:ドリー ♀
年齢:11歳
種類:アルパカ
勤務先:山古志アルパカ村
職種:接客業とグッズ材料提供
主な仕事内容:山古志アルパカ村に来てくれたお客さまと遊ぶこと。アルパカストラップ用に毛を提供すること。
お給料:基本給は乾燥牧草。ご褒美は、大好きなクローバー!
好きなこと:お天気のいい日のひなたぼっこ。
嫌いなこと:雨の日に毛が濡れちゃうこと。
現在の悩み:母性愛が強すぎて、いつまで経っても娘と親離れ子離れができないこと。
将来の夢:もっともっとファミリーを増やしたい!
撮影/山口規子
※女性セブン2016年9月1日号