世界は今、テロリズムに支配されている。バングラデシュの首都ダッカで起きたテロ事件は日本人7人が犠牲になったことから大きく報じられたが、世界を見れば、この規模のテロは日常茶飯事になってしまった。
そんな中、テロリストが起こす「第三次世界大戦」の時代に丸腰の日本でいいのかと警鐘を鳴らすのは、ジャーナリストの落合信彦氏だ。
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安倍政権はバングラデシュの事件を受けて、慌てて「テロ対策強化」を打ち出した。これは、テロ情報の収集・分析をしている「国際テロ情報ユニット」の人員拡充をすることが柱だ。
しかし、この「国際テロ情報ユニット」は、警察庁や外務省などから寄せ集めた20人ほどが、在外公館などからの情報を吸い上げているだけで、ほとんど機能していない。独自の情報ネットワークがあるわけではないから、今から人員を増やしても、予算のムダ遣いに終わるだけだろう。
日本企業の海外拠点は、2015年10月現在、7万か所以上もある。そのほとんどが、安全対策は手探り状態だ。テロ対策はないに等しい。
私は30年以上前から、日本と日本国民の安全を守るために情報機関を作るべきだと主張してきた。しかし、今からではもう遅いのかもしれない。
情報機関は一朝一夕で作ることができるものではない。それに、日本人は平和ボケが芯から染みついてしまっているから、情報機関を作ってもそのエージェントがあっという間に中国などに取り込まれてしまい、ダブルスパイにされてしまう。
何しろ大企業の技術系社員でさえも、週末になると中国企業に呼ばれて日本の技術を中国にせっせと教えてアルバイトをしているくらいだから、日本人の情報に対する感覚は推して知るべしだ。
国内のテロ対策も後手後手に回っている。象徴的なのが原発だ。各原発は地元の県警が持ち回りで警備しているだけで、自衛隊が守っているわけではない。テロリストが日本をターゲットにしたら、必ず警備が手薄な原発が狙われるだろう。