本誌前号(2016年8月19・26日号)で大特集した「名古屋ぎらい」。他県の住民にはどうしてもなじめない独自の文化や習慣を“愛を込めて”紹介したつもりだったが、残念ながら名古屋人の逆鱗に触れてしまったようで、本誌には芸能人や政治家からも反論が寄せられた。
こうした反論の一方で、「名古屋ぎらい」の読者からは「まだまだ嫌らしい部分はある」との声が数多く寄せられた。そこで、前号で紹介しきれなかった「名古屋人気質」を表わす一風変わった習慣を紹介する。
友人関係や仕事の場でトラブルの元になるのが名古屋人の「時間のルーズさ」だ。待ち合わせに遅刻するのは当たり前で、他の都市からは「名古屋時間」と揶揄される文化がある。『名古屋あるある』の共著者で自身も名古屋出身のライター・川合登志和氏がいう。
「車社会ゆえ、“遅れても渋滞だったことにすればいい”という甘えがあり、“待ち合わせは遅れるもの”と思っている」
これには「痛い思いをした」という人も少なくない。都内在住の40代男性(名古屋出身)が語る。
「仕事で東京に出張した時に『名古屋時間』が抜けず、商談の待ち合わせに遅れてよく叱られた。また仕事相手から『遅れる』という連絡があった際、僕も遅れていくと、相手が待ち合わせの5分前に到着していてビックリした」
「上から目線」と言われるヨソ者嫌いの名古屋人は、サークルKが統合されることに深く落胆する。
「地元発のコンビニ・サークルKが2018年2月までにファミリーマートに統合されることになり、それが『外資に買収される』ような感覚で耐えられない。
同じく閉鎖的とされる京都は一時的な腰掛けの人に優しいですが、名古屋は逆に“腰掛けなら来んでええ”と手厳しい。反面、名古屋が好きで一生住みたいという人はガッと受け入れますね」(川合氏)
ヨソ者に厳しい一方でこの夏、コメダ珈琲の北海道進出に大喜びした。
「名古屋で生まれた台湾ラーメンの有名店『味仙』の東京進出にも歓喜した。地元のモノが全国に広がるのが大好き」(同前)
ただ地元のコメダ珈琲を愛する反面、名古屋人は「権威に弱い」性質がある。地元喫茶店のサービスは豪華だが、スターバックスコーヒーはつまみがないが、カッコイイから入るという人も少なくないという。
「『この前、スタバ行っちゃってさ』とコメダ珈琲で話すのが好き(笑い)。トヨタという“誇り”がありながらベンツなど外国高級車にも“浮気”する」(同前)
断わっておくが、今回の記事も名古屋を愛するが故の企画である。だから粗相があってもお許し下さい!
※週刊ポスト2016年9月2日号