気が付けば最大11.5ゲームあったゲーム差をひっくり返した。大谷翔平の牽引する日本ハムがソフトバンクを凌駕する勢いを見せている。
8月21日の札幌ドームでの直接対決でも、大谷は先制打を含む3安打の固め打ちで、ソフトバンクの優勝マジック点灯を阻止した。
今年は投打の「2つの刀」がどちらも絶好調だ。投げては6月5日の巨人戦で日本球界最速となる163キロを叩き出し、8勝4敗、防御率2.02という好成績。打っては打率3割4分3厘、ホームラン19本、51打点(8月24日現在)をマークし、例外規定(※)での首位打者も視野に入ってきた。
【※規定打席に満たない場合は不足分の打席を凡打として加算し、算出された打率が規定打席到達者の打率1位を上回れば、未到達でも首位打者と認定される】
まさに日ハムの「投打の主軸」。大谷が3連覇を狙う絶対王者をひとりで追い詰めているといっても過言ではない。
元々、投手としての評価が先行していた大谷が打者として急成長した理由を、現役時代2081安打を放った野球評論家の山崎裕之氏が解説する。
「昨年と比べてスイングスピードが格段に速く、かつコンパクトになった。またバットの芯を活かしたスイングができるようになり、大振りしなくても左中間に大きな打球が飛んでいる」
今季の大谷で特筆すべきは、ソフトバンク戦にめっぽう強いことである。