芸能

北川景子、江角マキコら 連ドラで頻出の「個性派断言美女」

主演ドラマ『家売るオンナ』が話題の北川景子

 2週連続、2桁視聴率を記録して今クールの連ドラの中で、健闘している『家売るオンナ』(日本テレビ系)。主演している北川景子(30才)の存在感が抜群だ。コラムニストのペリー荻野さんが北川の演技について語る。

 * * *
 今、一番ノッてる女優は誰か。勝手に認定させてもらえば、それは北川景子である。

 主演作『家売るオンナ』では、不動産会社のチーフ営業ウーマン三軒家万智役。「私に売れない家はありません」と断言する彼女の成績はダントツの第一位。営業所の売り上げ棒グラフがホワイトボードを突き抜ける勢いだ。

 しかし、その仕事ぶりは恐ろしいほどに独創的。同僚にも顧客にもにこりともせず、家を売るためなら即突進。亡き祖母との思い出にこだわる子どものためには庭の木によじのぼって伐採した枝を新居に持ち込む。ゴミ屋敷の女性と小箱一つ分の荷物で暮らすミニマリスト男性のカップルには狭小三階建ての一階と三階で自分らしく生活したらと提案する。殺人事件があった事故物件邸宅については「このあたりは血だまりだったそうです」と平然と顧客に説明しながら、病院の手術室勤務の女性にしっかり販売してしまった。

 一方で同僚たちには激烈に厳しい。売り上げゼロなのにカフェでさぼってばかりの白洲(イモトアヤコ)を三軒家はガムテープでぐるぐる巻きにして「アポをとれ」厳命。広告看板を被せて街角でサンドイッチマンもさせる。パワハラ!?とびっくりした課長の屋代(中村トオル)が「指導マニュアル」を渡しても、三軒家は即座にゴミ箱にポイだ。とかく悩みがちなまじめ社員庭野(工藤阿須賀)にも「家売って謝るとはなんだ」「本契約まで気を抜くな」「二枚目気取ってんじゃねえ」などと容赦ない。三軒家の大きな目でにらまれて、「GO!」と言われて逆らえる社員は誰もいないのである。

 三軒家が物件を品定めするため、目玉を動かすたびにカチカチとカスタネットが鳴ったり、「GO!」と言うたびに風が吹いたりするのには毎回笑ってしまうが、よく見れば三軒家の言動はとても正当なのだ。

 独身女性がマンションを買おうとすると営業所では男性社員から「女単(女性単身客)か~」「何が悲しくてまだ若いのに一人で家を買うのか」という言葉が出る。すると三軒家は大きな目をますます大きく見開き「私たちの仕事は家を売ることです。女性であろうと独身であろうと、買う力がある人に家を売るのは当然です。独身女性が家を買うことについての偏見はあらためるほうがまっとうです!」そうです、まっとうです!思わず口を合わせてしまった。女単にも愛人にも引きこもりの人にも買える人には家を売る。三軒家は堂々と言い放つ。この気持ちよさ。

 振り返ってみれば、潔い「個性派断言美女」は数年に一度、日本のドラマに表れている。脚立を担いで「行くよ!」と威勢がよかった『ショムニ』の江角マキコ、「ここは女の牢獄」と言い切った『大奥』の浅野ゆう子、「事件だから」と部下ににらみをきかせた『BOSS』の天海祐希、そして「私、失敗しないので」でおなじみ『ドクターX』の米倉涼子。

 彼女らに共通するのは、美女というばかりではなく、愛想笑いゼロ、無駄口ゼロ、まばたきゼロ(に見える)の三拍子だ。三軒家もドライアイが心配になるほどまばたきが少なく、顧客をぎょっとさせることも多いが、最後はみんなが納得、幸せになるという不思議な力を持っている。北川景子の底力を観た思いだ。

関連記事

トピックス

SNSで出回る“セルフレジに硬貨を大量投入”動画(写真/イメージマート)
《コンビニ・イオン・スシローなどで撮影》セルフレジに“硬貨を大量投入”動画がSNSで出回る 悪ふざけなら「偽計業務妨害罪に該当する可能性がある」と弁護士が指摘 
NEWSポストセブン
女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された(左/時事通信フォト)
広末涼子の父親「話すことはありません…」 ふるさと・高知の地元住民からも落胆の声「朝ドラ『あんぱん』に水を差された」
NEWSポストセブン
筑波大学の入学式に出席された悠仁さま(撮影/JMPA)
悠仁さま、入学式で隣にいた新入生は筑附の同級生 少なくとも2人のクラスメートが筑波大学に進学、信頼できるご学友とともに充実した大学生活へ
女性セブン
漫画家・柳井嵩の母親・登美子役を演じる松嶋菜々子/(C)NHK 連続テレビ小説『あんぱん』(NHK総合) 毎週月~土曜 午前8時~8時15分ほかにて放送中
松嶋菜々子、朝ドラ『あんぱん』の母親役に高いモチベーション 脚本は出世作『やまとなでしこ』の中園ミホ氏“闇を感じさせる役”は真骨頂
週刊ポスト
都内にある広末涼子容疑者の自宅に、静岡県警の家宅捜査が入った
《ガサ入れでミカン箱大の押収品》広末涼子の同乗マネが重傷で捜索令状は「危険運転致傷」容疑…「懲役12年以下」の重い罰則も 広末は事故前に“多くの処方薬を服用”と発信
NEWSポストセブン
『Mr.サンデー』(フジテレビ系)で発言した内容が炎上している元フジテレビアナウンサーでジャーナリストの長野智子氏(事務所HPより)
《「嫌だったら行かない」で炎上》元フジテレビ長野智子氏、一部からは擁護の声も バラエティアナとして活躍後は報道キャスターに転身「女・久米宏」「現場主義で熱心な取材ぶり」との評価
NEWSポストセブン
人気のお花見スポット・代々木公園で花見客を困らせる出来事が…(左/時事通信フォト)
《代々木公園花見“トイレ男女比問題”》「男性だけずるい」「40分近くも待たされました…」と女性客から怒りの声 運営事務所は「男性は立小便をされてしまう等の課題」
NEWSポストセブン
元SMAPの中居正広氏(52)に続いて、「とんねるず」石橋貴明(63)もテレビから消えてしまうのか──
《石橋貴明に“下半身露出”報道》中居正広トラブルに顔を隠して「いやあ…ダメダメ…」フジ第三者委が「重大な類似事案」と位置付けた理由
NEWSポストセブン
小笠原諸島の硫黄島をご訪問された天皇皇后両陛下(2025年4月。写真/JMPA)
《31年前との“リンク”》皇后雅子さまが硫黄島をご訪問 お召しの「ネイビー×白」のバイカラーセットアップは美智子さまとよく似た装い 
NEWSポストセブン
異例のツーショット写真が話題の大谷翔平(写真/Getty Images)
大谷翔平、“異例のツーショット写真”が話題 投稿したのは山火事で自宅が全焼したサッカー界注目の14才少女、女性アスリートとして真美子夫人と重なる姿
女性セブン
フジテレビの第三者委員会からヒアリングの打診があった石橋貴明
《中居氏とも密接関係》「“下半身露出”は石橋貴明」報道でフジ以外にも広がる波紋 正月のテレ朝『スポーツ王』放送は早くもピンチか
NEWSポストセブン
女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された
〈不倫騒動後の復帰主演映画の撮影中だった〉広末涼子が事故直前に撮影現場で浴びせていた「罵声」 関係者が証言
NEWSポストセブン