「メダルがあるかないか、金・銀・銅でも差がある。私はずっと金だったので、初めて負けた人の気持ちがわかり、いい経験になりました」。4連覇を期待されながら、リオ五輪で銀メダルに終わった女子レスリング53kg級の“霊長類最強女子”吉田沙保里(33才)は、帰国翌日の8月25日、胸の内をそう吐露した。
その夜、吉田は都内の鉄板焼き店を訪れた。ベージュのキャップを目深にかぶり、紺と白のストライプのオールインワンに白いロングカーディガンというラフなスタイル。髪の毛も下ろしてリラックスした様子だ。
「人目を避けるように、吉田さんは店のいちばん奥の席に座っていました。途中、友人らしき人と電話して“元気だよ~。近いうちに会おうね!“って明るく話してましたけど、なんとなく顔色は浮かない様子で…」(居合わせた客)
そんな吉田に優しく語りかける男性がいた。吉田の正面に座ったその男性は、銀色の短髪にサンバイザー姿。よく日焼けした横顔はイケメン風アスリートの雰囲気が漂う。