マイナス金利の影響で、終身型保険など、貯蓄性の高い生命保険の予定利率が、2017年4月から下がる見通しに。そうなると、銀行の利息と同じで、保険という形で貯金をしても、あまり“得”が見込めないことに。
さらに、一部の保険会社では、すでに予定利率の高い商品の販売を差し止めしている。だったら、今年中に、予定利率が高い保険に新規加入した方がいいのでは、と思いがちだが、焦ってはダメ!
実は今、手持ちの保険を見直す最後のチャンスなんです。保険評論家でファイナンシャルプランナーの長尾義弘さんは、生命保険の考え方を見直す絶好のチャンスだと言う。
「現在、終身型保険の予定利率は約1%ですが、来年は0.5%か0.25%に下がり、保険料は値上がりする見込み。こうなると、貯蓄としての魅力はありません」(長尾さん)
でも、1%あるなら、銀行で預金するより有利だが…。
「1%という数字にだまされてはいけません。貯蓄型の保険は、満期が数十年先など長期運用で、予定利率は契約時のもので固定しています。この先金利が上がれば不利ですし、手数料が引かれるため、払ったお金を100%運用できるわけありません。途中解約すれば元本割れするデメリットも」(長尾さん)
リスクを考えると、1%程度の予定利率では、“お得じゃない”というのが専門家の意見。今から入るのはおすすめしないという。では、手持ちの保険をどう見直すべきか。
「絶対解約しないでほしい“お宝保険”が確実に存在します。それは、“予定利率2%以上の保険”。この保険は、2001年4月以前に契約した保険が該当します」(長尾さん)
さらに、ファイナンシャルプランナーの山口京子さんは次のようにアドバイスする。
「すでに加入している貯蓄型保険の予定利率は今の保険よりいいので、保障が多すぎなければ解約する必要はありません。特に終身型保険は年数が経つほど解約時に戻るお金(解約返戻金)が増え、いずれは払い込み総額以上に。ある程度、払い込み年数が経っているなら維持した方がお得です」(山口さん)
※女性セブン2016年9月15日号