大規模災害時、自宅が倒壊するなどのやむをえない場合を除いて、自宅で避難生活を送る「自宅避難」を推奨する自治体が増えている。いちばんの理由は、避難所に入れる人数には、限りがあるためだ。
避難所には入れないと想定して備蓄をしておくことを推奨する。NPO法人ママプラグ副理事長の冨川万美さんは、こう語る。
「避難所は他人に囲まれながら、2畳ほどのスペースで生活します。プライベートな空間がなく、ストレスが溜まりやすい場所です。
それにインフルエンザやノロウイルスなどの感染症や、エコノミー症候群を発症する危険性も高く、あまりいい環境とはいえません。自宅が無事な場合は、自宅で避難生活を送るほうがまだマシなのです」(冨川さん。以下「」内同)
被災直後は命があった喜びで気にならないが、日にちが経つと、「着替えたい」「体を洗いたい」などの欲求が徐々に出てくる。電気、水道、ガスが止まった状況の中、いかに快適に自宅で過ごすかを考えながら、防災グッズを揃える必要がある。
いざというときのために準備しておくべきは、自宅で過ごすための備蓄と、自宅にいるのが危険で避難が必要な場合に持ち出す非常持ち出し袋だ。
「どちらも必要なものは、人ぞれぞれ。家族構成や、一戸建てかマンションかなど、自分の環境に合わせて、慎重に選んで」
※女性セブン2016年9月15日号