マイナス金利の影響で、来年から貯金型保険料がアップすることに。「じゃあ、今年中に新規加入した方が得なの?」と焦るなかれ! まずは手持ちの保険を見直すことが先決。専門家が太鼓判を押す、今イチオシの生命保険を紹介する。
見直しの際、気をつけたいのが、“必要保障額”。ファイナンシャルプランナーの山口京子さんは、ここに無駄が多いと指摘する。
「よくあるのが、独身なのに死亡保障が2000万円もあるなど、入りすぎているケース。必要以上の保障は無駄です」(山口さん)
生活文化センターの調査によると、1世帯の保険金額は平均で年間約38.5万円。30年払ったら1000万円以上に。なんとなくや、つきあいなどで、払う額ではない。
「子供が独立すれば、数千万の保障は不要。そのつど必要な保障を見直し、保険はなるべく安く買って」(保険評論家でファイナンシャルプランナーの長尾義弘さん)
子供が大きい場合、これから入るなら10年、20年など一定期間、同じ保障額をつけられる「定期保険」をすすめる。
「子供が大学を卒業するまでなど、目的を明確にしやすい上、必要な期間だけかけられるので無駄がない。定期保険は更新時に保険料が上がる点がデメリットと思われがちですが、保険はライフスタイルで必要保障を見直し続けた方がいいので“一生同じ保険料”はむしろ危険。定期保険の種類は豊富で常に進化しているので、より安く保険に乗り換えていくのがベスト」(長尾さん)
子供が独立したような状況で長尾さんがおすすめするのは、以下の2つだ。
●オリックス生命『ファインセーブ』
健康優良体割引がなく、喫煙者にもおすすめ。保険金額の範囲内なら、健康状態の告知義務なく終身保険に変更できるので、子供の独立後は保障額を減らして終身にしておける。保険料は40才男性で2000万円の保障×10年間で5600円。
●メットライフ生命『スーパー割引定期保険』
血圧の数値などによって保険料の区分が4つにわかれ、健康な人ほど安くなる。更新時も加入時の区分が適用されるのがメリット。もっとも健康な区分の場合、保険料は40才男性、2000万円の保障×10年間で月額3600円。
今後は、生命保険に貯蓄性を求めてはダメ! 掛け捨てで、できるだけ安い保険を買うのが正解だ。また、既存の保険を解約し、新保険へ加入する場合、他社への“乗り換え”が一般的だが、実は同じ保険会社内でも乗り換えはできる。
「今加入している保険と同じ会社内での乗り換えを“変換”といい、条件はありますが、健康診査が不要なので、持病がある場合はおすすめ。一方、同じ会社内の変更でも、解約返戻金を下取りに出すものを“転換”といい、保障額を上げ、保険料を下げることもできますが、解約返戻金が減ります」(山口さん)
保険会社が“転換”をすすめてきた場合は、内容をよく確認しないと、損をするケースもあるので注意が必要だ。
※女性セブン2016年9月15日号